研究課題/領域番号 |
22K17784
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
丸田 ひとみ 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (30823231)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ビフィズス菌 / 抗肥満 / 酢酸 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満は、様々な病気の危険因子である。近年、腸内細菌が肥満に大きく関わるとの報告があり、肥満者に非肥満者の腸内細菌を移植するとインスリン感受性改善効果が報告されている。腸内細菌の一つであるビフィズス菌は最終産物として酢酸を生成するが、外因的な酢酸摂取は肥満予防効果があることが明らかとなっている。前年度までの研究で、ヒト乳児糞便より新たに単離した新規ビフィズス菌株溶液を摂取することにより、体重増加抑制などの肥満抑制効果があることが示唆された。しかし、ヒトに応用する場合に生菌数を維持することが難しいという問題点も生じた。そこで本研究は新規ビフィズス菌の死菌体による抗肥満効果について検討を行う。
|
研究実績の概要 |
年々、世界中でも罹患患者数が増えている肥満及び糖尿病は、解決すべき重要な課題である。近年では、その治療として腸内細菌の移植などが行われるなど腸内細菌は肥満と大きく関わっていることが報告されている。腸内細菌の中でも有名なビフィズス菌は肥満予防に効果的な酢酸を最終生産物として産生することが知られている。 昨年度までの研究で、新生児の糞便中より単離した新規ビフィズス菌のスクリーニングを行い、肥満抑制効果のあるビフィズス菌株を見出した。その新規ビフィズス菌を摂取することにより肥満抑制効果があることを示唆する結果を得ているが、死菌でも同様の効果が見られるのかについて検討を行ってきた。その結果、生菌と死菌を脱脂粉乳に懸濁した試料を投与したところ、生菌よりはその効果が弱いものの、死菌においても、腹腔内脂肪量の蓄積抑制や体重増加抑制などがみられた。その他にも脂肪合成系遺伝子の低下や脂質代謝に関わる遺伝子の発現増加などがみられた。 そこで、本年度は死菌の菌数の検討を行った。まず初めに昨年度、使用した菌数と同等のものとそれより5倍量の菌数のものを脱脂粉乳に懸濁した試料をこれまでと同様に2型糖尿病モデル動物であるOLETFラットに経口投与を行った。その結果、5倍量の菌数を投与した群の方が体重増加抑制効果が高かったものの著しく効果が高くなったわけではなかった。また、肝臓における脂肪蓄積を組織学的解析法を用いて解析したところ5倍量の群の方が脂肪蓄積が抑制されているのが観察されたが、脂肪合成系や脂肪代謝系の遺伝子発現においては菌数を5倍量にした群とこれまでの菌数の群とでは大きな差は見られなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度の予定であった、菌数の検討を行いどのくらいの菌数で効果があるのかがある程度見通しを立てることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今回、検討した菌数をベースに摂取形態の検討を行い、それを2型糖尿病モデル動物に摂取させた場合にこれまでと同等の結果が得られるかについて検討を行う。
|