研究課題/領域番号 |
22K17792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
松本 奈々恵 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 認知症先進医療開発センター, 特任研究員 (80896639)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 拡散尖度画像 / 認知機能 / 高齢者 / 軽度認知障害 / DKI / 検者内信頼性 / 検者間信頼性 / MMSE / 認知予備脳 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、軽度認知障害を有する高齢者を対象として磁気共鳴画像の一つである拡散尖度画像(Diffusion Kurtosis Imaging: DKI)を用いて、認知予備脳の高さの違いによる脳の組織構造の差異を明らかにし、また、認知予備脳が認知機能へ及ぼす経時的な影響に脳の組織構造が介在しているかを明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、拡散尖度画像(DKI)を用いて認知予備能の神経基盤の解明を行うことである。本研究では、当センターで実施している「認知症のリスクをもつ高齢者に対する進展予防を目指した多因子介入によるランダム化比較研究(J-MINT研究)」で取得した被験者のDKIを用いて研究を進める。 2022年度は脳画像解析に問題はないか検者内・検者間信頼性を級内相関係数を用いて検討した。その結果、検者内・検者間信頼性ともに級内相関係数は0.9以上であり、本研究における画像解析方法の信頼性は高く、問題はないことが明らかになった。そこで、脳画像を取得した被験者約360名の画像解析を開始した。 2023年度に全被験者の画像解析が終了した。本研究の画像解析で算出したパラメーターの妥当性を検討するため認知機能と各脳領域のパラメーターの関連を調べた。その結果いくつかの脳領域の構造が複雑なほど、認知機能検査の点数が高いことが明らかになった。先行研究と比較したところ本結果と大きな相違はなかった。また、認知機能が正常(CN)な高齢者と軽度認知障害(MCI)を有する高齢者で比較したところ、CN高齢者よりMCI高齢者において複数の領域で脳の組織構造の複雑さが低いことと認知機能の低さが関連していつことが示された。 これらのことより本研究で得られたパラメーターの信頼性は高いことが示され、認知予備能についての統計解析を進めても問題ないことが分かった。また本研究の成果の一つとしてMCI高齢者における認知機能といくつかの脳領域のパラメーターの関連があること明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の計画は全被験者の画像解析を終了し、統計解析を進めることであった。2023年度末には全被験者の画像解析を終了し、統計解析を進めている。しかし、脳画像を取得した被験者の中に脳画像上の問題から統計解析に使用できない被験者が複数人おり、認知予備能の高い被験者と低い被験者の人数に差が生じている。そのため検出力に差が生じる恐れがあり、追加で脳画像を撮像する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、追加で被験者を募集しスクリーニング・脳画像の撮像を行い、画像解析で得られた結果をもとに統計解析を行う予定である。 まず、追加の被験者を募集し、本研究で用いているJ-MINT研究の被験者のスクリーニング方法で追加の被験者をスクリーニングし、後日頭部MRIの撮像をする。追加する被験者は数十人の予定であるが、脳画像解析結果と認知予備能の高さによって検討する。その後、得られた脳画像解析結果を用いて「認知予備能の高さの違いによる組織構造の差異を明らかにする」ための統計解析を実施する予定である。
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