研究課題/領域番号 |
22K17815
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
片岡 孝介 早稲田大学, 総合研究機構, 主任研究員 (60822260)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 内在性カンナビノイド系 / 加齢性記憶障害 / ミトコンドリア / オミクス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
先進国で高齢化が加速度的に進む中で老化研究の重要性は高まりつつある。助成対象者は、脳老化に重要な内在性カンナビノイド系(ECS)に着目して、加齢性記憶障害の分子機構の解明を目指している。助成対象者は、ECSがミトコンドリア品質管理を担うことを発見したが、加齢性記憶障害におけるCB1受容体の役割は依然として不明である。本研究では、ECSの一つであるCB1受容体が細胞内局在依存的な生理機能を有することに着目し、加齢性記憶障害におけるCB1受容体の役割を有するか明らかにすることを目的とする。本研究よって、今後急激に増加すると予想される加齢性記憶障害の機構解明や予防戦略の確立につながると期待される。
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研究成果の概要 |
先進国で高齢化が加速度的に進む中、脳老化に重要な内在性カンナビノイド系(ECS)に着目し、加齢性記憶障害の分子機構の解明を目指している。ECSの一つであるCB1受容体の細胞内局在依存的な生理機能に着目し、SH-SY5Y細胞を用いて、CB1受容体の活性化・不活性化がミトコンドリア機能に与える影響を検証した。その結果、CB1受容体の活性が、ミトコンドリア膜電位や形態、ATP産生量、ROS産生量、細胞死(フェロトーシス)に関与する可能性が示唆された。さらに、他の神経系の細胞株や、CB1受容体の発現が確認されている骨格筋細胞株を用いてCB1受容体とミトコンドリア品質管理機構の関係性も明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、加齢性記憶障害の分子機構解明に向けて、内在性カンナビノイド系(ECS)の一つであるCB1受容体に着目し、その細胞内局在依存的な生理機能を明らかにした。CB1受容体の活性が、ミトコンドリアの機能や細胞死に関与することを示唆した成果は、加齢性記憶障害の病態解明に新たな視点を与えるものである。また、CB1受容体の細胞内局在を考慮した創薬デザインにつながる可能性を秘めており、超高齢社会における認知症予防や治療法の開発に寄与することが期待される。
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