研究課題/領域番号 |
22K17816
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
矢野 敏史 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (60936615)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | D-アミノ酸 / 発酵食品 / オートファジー / 腸細胞 / タンパク質代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
オートファジーはタンパク質代謝の中心的役割を果たしており、様々な生理機能の重要な調節に関わっている。栄養シグナルとしてのL-アミノ酸によるオートファジー制御の解析が進む一方で、D-アミノ酸がオートファジーに与える影響についてはほとんど解析がなされていない。また、哺乳類ではD-アミノ酸をほとんど合成することができないが、腸内では腸内細菌が合成したD-アミノ酸が豊富に存在しており、その生理機能の多くが未解明である。そこで本研究では、D-アミノ酸の腸細胞にたいするオートファジーの制御機構について解析し、タンパク質代謝に及ぼすD-アミノ酸の生理機能を分子レベルで理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
D-アミノ酸のオートファジーへの影響を腸細胞にてスクリーニング解析し、オートファジーを活性化するD-アミノ酸を数種同定した。これらD-アミノ酸のオートファジーでは、一般的な栄養飢餓シグナルとは異なるメカニズムの存在を示唆する結果が得られた。そこで、オートファジーを活性化するD-アミノ酸について、トランスクリプトーム解析を実施し、in silico解析から細胞内シグナルへの作用を解析したところ、遺伝子の発現変動から特定のシグナルへの関与が示唆された。さらに、D-アミノ酸が豊富に存在する発酵食品で検証したところ、D-アミノ酸や共存する成分の含有比がオートファジー調節に機能することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、発酵食品にはD-アミノ酸が豊富に存在することが報告されており、発酵食品の有する腸への健康機能との関連も注目されている。モデル生物では、オートファジーが腸管の恒常性維持に重要であることや、オートファジーの活性化が健康寿命の延伸に寄与することが分かっている。本研究課題では、D-アミノ酸が腸細胞のオートファジー調節に機能することを明らかにし、その健康効果の一端を解析しており、D-アミノ酸の腸への健康効果の基礎的知見になると期待される。
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