研究課題/領域番号 |
22K17819
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
尹 之恩 筑波大学, 体育系, 助教 (60813277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 認知機能 / 変曲点 / アルツハイマー型認知症 / 認知症バイオマーカー / アミロイドベータ / 高齢者 / 団塊世代 / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症の発症リスクが高い70歳以上の高齢者(団塊の世代)を対象に、認知機能の低下(脳神経にAβの沈着)が判定できる唯一の指標である血液中のAβモノマーの変化を大規模調査によって継続的に追跡調査する。これにより、軽度の認知症から認知症発症の変曲点を探索・発見し、認知症発症過程の全容を解明する。さらに、認知機能低下に連動する身体機能の評価をエビデンスとして加えて、より高精度に認知症発症のリスクを判定かつ発症過程を可視化する。これにより、認知症発症の遅延・抑制は勿論、認知症発症前の対策が講じられるので、高齢者問題の新しい解決方策となる。従って、団塊の世代を救う2025年問題解決に大いに貢献できる。
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研究実績の概要 |
T市在住の高齢者を対象に、2019年の「認知・体力測定会」にて測定した結果をベースラインとし、その4年後になる2023年3月に追跡調査を実施した。2019年、2022年、2023年に実施した3回の「認知・体力測定会」にすべて参加した者は22名(平均年齢77.5歳±4.6;男性:7.3%(6名)、女性:72.3%(16名))であった。2019年と2023年のバイオマーカー検査結果で認知症発症リスクが高くなった者、変化がなかった者、低くなった者のベースライン(2019年度)の心身機能や身体活動を分析した。その結果、統計的な有意差はないが、低くなった者>変化がなかった者>高くなった者の順で、握力(筋力)や余暇活動(身体活動)に高い傾向がみられた。また、老年期の抑うつを評価するGeriatric Depression Scaleは低くなった者<変化がなかった者<高くなった者の順で点数が低かった(点数が低いほど良い)。さらに、開眼片足立ち時間(バランス能力)、立ち上がり動作時の地面反力(下肢機能)は、低くなった者>高くなった者>変化がなかった者、5 m通常歩行速度(歩行能力)は低くなった者<高くなった者<変化がなかった者の順で、いずれの項目においても認知症発症リスクが低くなった者のベースラインの値が良い傾向がみられた。現在、4年間の認知症発症リスクの変化と心身機能の変化に対する関係の解明を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度をベースラインとして、2022年度、2023年の追跡調査が順調に進行されている。一方、新型コロナウイルス感染症の発生により2020年度と2021年度の追跡調査は実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、5年目の追跡調査とともにデータセットの構築を完了し、認知症発症リスクの変化と心身機能の変化の関係を解明するため多変量解析を行う。さらに、認知機能と心身機能の「変曲点」を探索する。 また、本研究課題の最終年となり、研究成果発表により、社会還元・実装に努める。
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