研究課題/領域番号 |
22K17832
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
半澤 史聡 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (50910022)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 筋萎縮 / 骨粗鬆症 / 坐骨神経切除 / 摂食タイミング / 時間栄養学 / オステオサルコペニア / 筋代謝 / 骨代謝 / 時計遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会を迎えた我が国において、筋萎縮によるサルコペニアおよび骨密度低下による骨粗鬆症が併存する「オステオサルコペニア」予防法の確立が求められている。近年、いつ、食べるか、という時間栄養学が注目されている。適切なタイミングで食事を摂ることは、体内時計を表す時計遺伝子の正常なリズムに繋がり、正常な代謝を維持することに重要である。そこで本研究では、食事のタイミングが筋肉と骨の時計および代謝に及ぼす影響を調べ、時間栄養学的介入によるオステオサルコペニア予防の可能性のためのエビデンスの提供を目指す。
|
研究実績の概要 |
骨粗鬆症とサルコペニアが併存するオステオサルコペニアは、高齢者のQOLを低下させることが報告されている。そのため、超高齢社会を迎えた我が国では、その予防法の確立が求められる。これまでに、シフトワークなどの体内時計が乱れやすい勤務形態が、サルコペニアのリスクとなることが明らかにされている。さらに、時計遺伝子の変異マウスでは、骨密度が低下することがわかっている。そこで本研究では、摂食タイミングの違いが筋代謝および骨代謝に及ぼす影響を明らかにし、時間栄養学を活用したオステオサルコペニア予防に資するエビデンスの提供を目指すことを目的としている。 研究1年目の前年度は、正常ラットにおける摂食タイミングの違いは、骨形態を変動させることを見出した。しかし、摂食タイミングの違いは、後肢の筋重量には影響を与えなかった。 今年度は、オステオサルコペニアモデル動物として、筋萎縮および骨密度低下が引き起こされる坐骨神経切除ラットを用いて、前年度と同様の実験を行った。その結果、摂食タイミングの違いによって、坐骨神経切除ラットの筋重量および骨形態が変動することを見出した。また、筋肉の時計遺伝子および筋代謝に関連する遺伝子の発現に変動がみられた。これらの結果から、摂食タイミングは、筋代謝および骨代謝に影響を与えることが明らかになり、適切な摂食タイミングを維持することが、オステオサルコペニア予防につながる可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、申請時の研究計画通りに動物実験を実施しており、坐骨神経切除ラットにおいて摂食タイミングの違いが筋代謝・骨代謝に影響を与える、という一定の成果を得ることができた。また、RNA抽出が比較的困難とされる骨からのRNA抽出手法を確立できた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、これまでに実施した動物実験で採取した血液サンプルを用いて、筋代謝および骨代謝に関わるマーカーを測定する。また、筋肉および骨の遺伝子発現の測定をさらに進めることで、摂食タイミングの違いが筋代謝および骨代謝に及ぼす影響についてのメカニズムをより解析していく。 また、老化による筋萎縮および骨密度低下に及ぼす摂食タイミングの影響を明らかにするために、老齢マウスを用いて、異なる摂食タイミングで飼育し、筋代謝および骨代謝が変動するかどうかを調べる。
|