研究課題/領域番号 |
22K17833
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
津嘉山 泉 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (30823249)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミクロソーム型PGE合成酵素-1 / 5-リポキシゲナーゼ / 抗炎症効果 / ミクロソーム型PGE合成酵素-1 / 5-リポキシゲナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
n-6系脂肪酸アラキドン酸由来の種々の生理活性脂質は,生体内の恒常性維持に重要な一方で,過剰な産生により,様々な疾患の惹起や重症化に関与するものがある。なかでも,炎症誘導性脂質メディエーターのプロスタグランジン(PG)E2とロイコトリエン (LT)類は,強力な炎症誘導因子として働く。本研究では,小豆皮の機能性について,これら炎症誘導性脂質メディエーター合成系酵素に焦点をあて,①機能性成分の単離・同定,②酵素学的・病態生理学的な解析,③生体投与における安全性の検証に取り組み,安全で,広範な炎症性疾患に有効な,小豆皮由来成分の新規食品機能性の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
日本の死亡原因の約50%が慢性炎症に起因する疾患であり、健康寿命の延伸のためには、慢性炎症の予防が重要である。強力な慢性炎症誘導因子である炎症誘導性脂質メディエーターのプロスタグランジン(PG)E2とロイコトリエン(LT)類(LTB4、LTC4、LTD4、LTE4)は、古くより薬理学的作用機序の研究が進み、それぞれの合成系初発酵素に対する阻害薬も臨床応用されている。しかし、副作用が懸念され、予防目的での長期的な服用は困難である。そこで、副作用を回避した炎症誘導性脂質メディエーター合成系を標的とする食品機能性を探索する中で、小豆皮抽出物に「mPGES-1/5-LOX二重阻害作用」の可能性を見出した。 ここではまず、小豆皮抽出物における両酵素阻害成分の単離同定を目指し、二重阻害作用を見出した画分(小豆皮70%含水アセトン粗抽出液をイオン交換樹脂で粗分画した疎水性画分)の大量分画を試みた。さらに、得られた画分に含まれる阻害成分を明らかにするために、逆相HPLCを用いてさらなる分画を行い、mPGES-1と5-LOXに対する阻害効果を解析した。しかし、両酵素に対する阻害効果は必ずしも高いとは言えず、さらなる精製を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、炎症誘導性生理活性脂質合成系を標的として、小豆の新規機能性を科学的に明らかにすることを目指している。本年度は、mPGES-1/5-LOX二重阻害作用を示す成分を単離し、その効果を解析できた。しかし、成分同定に向けたさらなる精製と解析が必要であり、現在実施している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、mPGES-1/5-LOX二重阻害成分の単離同定をさらに進め、酵素反応速度論に基づく特性の詳細を明らかにするとともに、生体への慢性炎症予防効果の検証を行う予定である。
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