研究課題/領域番号 |
22K17835
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
加賀 英義 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90814757)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脳インスリン抵抗性 / 高齢者 / 低栄養 / サルコペニア |
研究開始時の研究の概要 |
フレイルやサルコペニアは要介護の主要な病態とされ、その原因として食欲低下による低栄養があげられるが、現在、十分な対策は行われていない。視床下部は食欲調節中枢であり、経鼻インスリンによる研究で、脳インスリン抵抗性が食欲亢進の根本的な原因である可能性が示されている。そこで、高齢期の食欲低下の原因に脳インスリン感受性亢進が関与すると仮説を立て、本申請ではfMRIを用いて、高齢期の経鼻インスリン投与後の視床下部神経核の活動変化を評価し、食欲低下の原因を解明することを目的とする。老化による食欲低下のメカニズムの一端が解明できれば、高齢者の低栄養の予防及び治療戦略の開発を可能にすることが期待される。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、地域在住の高齢者コホートであるBunkyo Health Studyの観察研究である、5年目測定を完了した。最終的に、70歳~89歳の1076名(ベースライン時65歳~84歳の1629名)の測定を行った。その他、5年目までのアンケートの返信率は80.8%であった。具体的な測定項目は、服薬歴、認知機能検査(MoCA-J, MMSE, Trail Making Test, Mini-Cog)、頭部MRI検査(脳梗塞・出血の有無、脳小血管病変、脳体積)、腹部MRI検査(内臓脂肪・皮下脂肪面積、腸腰筋容積)、膝MRI検査(変形性膝関節症)、身体能力検査(10m歩行、開眼片脚立テスト、ロコモ度チェック)、握力、膝伸展・屈曲筋力の測定、体組成検査(BIA法, DXA)、動脈硬化症の検査(CAVI)、腰椎・大腿骨頚部の骨密度測定(DXA)、採血・採尿検査、各種アンケート調査(基本チェックリスト、BDHQ(食習慣)、PSQI-J(運動、座位行動習慣)、IPAQ(睡眠)、SF-12(健康QOL)など)と重心動揺検査、シート式足圧計測装置による下肢荷重検査を2日間にわたり測定した。その他、身体活動量計を2週間装着し、日々の身体活動量を評価した。現在、データクリーニング中である。 脳インスリン感受性の測定方法に関しては、既に確立されており、他の研究で継続して行っており、安定して測定できているため、問題ないと考えらえる。既に研究プロトコールは完成しており、functional MRI研究を開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は予定通り、Bunkyo Health Studyの観察研究を終了できた。一方で、データクリーニングに時間を要しており、その解析ができていない。それに伴い、functional MRI研究もまだ開始できていない。
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今後の研究の推進方策 |
データクリーニングを早期に終了させ、データ固定を行う。その後、高齢期の体重減少に関わる規定因子の解析を行う。従来の統計方法のみならず、AI技術を用いて特徴量の探索を行う。functional MRIを用いた脳インスリン抵抗性に関しては、体重が減少した高齢者を対象を抽出、リクルートし、測定を行っていく。脳インスリン感受性の測定方法に関しては、既に確立されており、遂行に問題はないと考えている。
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