研究課題/領域番号 |
22K17849
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
和佐 州洋 法政大学, 理工学部, 講師 (00781337)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 列挙アルゴリズム / 解グラフ技法 / グラフアルゴリズム / 理論計算機科学 |
研究開始時の研究の概要 |
列挙問題は理論計算機科学における中心的な問題の一つであり,効率良いアルゴリズムを構成することは理論・応用両面において重要である.これまで列挙アルゴリズムを構成するための様々なフレームワークやメタアルゴリズムが開発されてきたが,その適用範囲は限定されており,より汎用的な構築技法の確立が課題となっている.本研究では,既存のアルゴリズム構築フレームワークの拡張,および,メタアルゴリズムの開発を目的として研究を行う.これらを通じて,列挙アルゴリズムを構成する技法をより洗練させ,列挙問題を効率よく解くための理論的な土台の整備を進めていく.
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研究実績の概要 |
理論計算機科学における重要な問いとして,「実行可能解はいくつ存在するか」が挙げられる.この文脈において,解の個数を計数する問題と全ての解を実際に出力する問題の2つの観点で研究が進められているが,本研究では,後者を列挙問題と呼び,これに関して研究を行う.列挙問題は理論・応用両面において頻出する問題である.例えば,ユーザーが自身の嗜好を正確に定義できない場合,例えば夕食でどのレストランに行くか決める時などでは,ある程度候補となる対象を列挙し,その後実際にユーザーが目で見て自身の嗜好に適った対象を選ぶ,というような状況で列挙は重要な役割を果たす.このような状況では,効率良いアルゴリズムが提供されることは非常に重要である.これまで列挙アルゴリズムを構成するための様々なフレームワークやメタアルゴリズムが開発されてきたが,その適用範囲は限定されており,より汎用的な構築技法の確立が課題となっている.さらにそのようなフレームワークの適用限界についても全く明らかでない.本研究では,(1) スパース化を用いた解グラフ技法と呼ばれるフレームワークの拡張,および,(2) 局所的な構造に着目したメタアルゴリズムの開発を目的として研究を行う.令和4年度は,この内 (1) に注力した.その結果,k-辺連結全域グラフに関してアルゴリズムの開発が見込めそうだという結論に達した.これは2辺連結誘導グラフとは少し異なるが,このアイディアを応用して,2辺連結誘導グラフの列挙につなげて行く計画である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
k-連結全域部分グラフの列挙は既存研究がいくつかある問題だが,最新の技法を駆使した列挙アルゴリズムはまだ知られていない.これらについて共同研究者とともに端緒を得ることができた.また,極小連結辺支配集合の列挙についても,出版までには達していないが,原稿の執筆を終え投稿済みであり,その採否通知を待っている段階である.従って,現状は概ね計画通りに進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,まず採択まで至っていない成果の論文の採択を目指す.次に,(1) のスパース化に関して,Cohen らのアルゴリズムを愚直に適用できない範囲の問題に対して適用できないか検討していく.また,可能であれば,(2) の議論についても前倒しで推進できないか検討を行う.
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