研究課題/領域番号 |
22K17856
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊豆永 洋一 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (40811683)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 状態空間モデル / 問題規模縮小法 / 数理最適化 / クラスタリング / ネットワーク分析 / スペクトラル・クラスタリング / 説明可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
クラスタリングとは与えられたデータを類似性の高いいくつかのまとまりに分割するタスクであり,実社会への様々な応用を持ち,社会的に重要な課題として認識されている.機械学習ライブラリの普及により,様々なクラスタリング手法が広く社会に認識され,多くのユーザが利用することができる.しかし,クラスタリング手法の信頼性や汎用性の面では十分にその知識がユーザに浸透しているとは言えず,クラスタリング手法の適切な利用を妨げる大きな要因となりうる. 本研究では,これらの問題点を解決するため,信頼性と汎用性を備えたクラスタリング手法を開発し,多くのユーザが容易に利用できるクラスタリングライブラリを実装する.
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研究実績の概要 |
本研究課題である「信頼性と汎用性を備えたクラスタリング手法の確立」に関して,2023年度は以下の研究に取り組んだ. (1) 符号付きネットワーク上のコミュニティ抽出に対するアルゴリズムの性能評価,(2) ガウシアングラフィカルモデルのスパース推定に対する前処理アルゴリズムの設計,(3) 状態空間モデルによるECサイトにおけるセール効果の分析とクラスタリング手法を用いた商品ジャンルの特徴分析 ネットワークを密な部分ネットワークにクラスタリングするタスクであるコミュニティ抽出において,ネットワークのリンクが頂点間の隣接関係だけでなく正負の符号情報を持つ問題に対して,前年度までに設計したアルゴリズムの性能を実ネットワークや人工ネットワークを用いて評価を行った. 観測データから特徴量間の構造関係を表現するガウシアングラフィカルモデルのスパース推定問題に対して,スパース性を基数制約によって表現する問題を定式化し,Perspective定式化とその双対問題を利用した問題規模縮小アルゴリズムの設計を行った. ECサイトにおける購買データをもとに,ECサイトのセール効果の分析を行った.具体的には,商品ジャンル毎の売上高をセールの影響を受ける部分と受けない部分に分解する状態空間モデルに定式化し,セールの実施が売上にどのような影響を与えるのかを分析した.また,状態空間モデルから得られたジャンル毎の推定パラメータを特徴量に用いた階層的クラスタリングにより,表品ジャンルの特徴分析も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
符号付きネットワーク上のコミュニティ抽出に対しては,実ネットワークおよび人工ネットワークを用いた広範な数値実験の実施に予定以上の時間がかかったため,2023年度中に成果を公表することができなかった. 一方で,ガウシアングラフィカルモデルに対するスパース推定に対して,問題規模を縮小するための前処理アルゴリズムの設計が完了した.また,ECサイトの購買データを用いたデータ分析に関する研究成果について査読付き論文誌への掲載が決定した.
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今後の研究の推進方策 |
符号付きネットワークに対するコミュニティ抽出に関しては,数値実験を早急に終わらせて,学会発表および論文誌への投稿を完了する.また,スパース推定に対する問題規模縮小法を他の最適化問題へ拡張可能か検討する.
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