研究課題/領域番号 |
22K17858
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
萩原 康博 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60844040)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | QOL値 / 臨床試験 / 部分条件付き平均モデル / セミパラメトリック理論 / 適合度検定 / 乳癌 / 医療経済評価 / 統計解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,臨床試験で測定された経時QOL値データから医療経済評価で用いる各健康状態の期待 quality of life(QOL)値を,バイアスの発生を最小限に抑えた上で効率よく推定する統計解析手法を開発する.そのために,部分条件付き平均モデルのセミパラメトリック推定法を,QOL値の非単調欠測と健康状態の単調欠測を伴う経時 QOL 値データに適用できる形に拡張する.開発手法の大標本での性質はセミパラメトリック理論を用いて導出し,小標本での性能は数値実験で評価する.さらに,開発手法を用いる場合に,臨床試験における経時QOL値データの収集デザインを決定する方法も提案する.
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研究実績の概要 |
本年度は3つの研究を行った。第一の研究は、部分条件付き平均モデルに対する逆確率重み付け推定量と二重ロバスト推定量を、(1)健康状態の単調欠測がMARで,QOL値の非単調欠測がMARの場合、(2)健康状態の単調欠測がMARで、QOL値の非単調欠測がNMARの場合に、セミパラメトリック理論にもとづき導出した。得られた推定量は、それぞれの仮定のもとで、漸近正規性を持つ一致性であり、漸近分布の漸近分散も導出した。 第2の研究は、セミパラメトリックモデルのもとで回帰モデルのデータへの当てはまり度合を評価する適合度検定をいくつか開発した。開発した適合度検定の多くは、追加共変量の回帰パラメータに対する一般化スコア検定の形を持もつ。一般化スコア検定は、スコア検定をスコア方程式だけではなく推定方程式にもとづく検定に拡張したものである。シミュレーション実験を行い、第一種の過誤確率の名目水準への維持と検出力の観点から、開発した正規化残差平方和検定が他の手法と比較して優れていることを明らかにした。 第3の研究は、実際の医療経済評価において、QOL値の分析を行った。HER2陽性高齢乳癌患者に対する術後補助化学療法の医療経済評価を臨床試験データをもとに行い、トラスツズマブ+化学療法併用療法がトラスツズマブ単独療法に比べて、費用対効果が良い可能性が高いことを示した。しかし、QOL値の不確実性が結果に与える影響は大きく、QOL値の不確実性を減じることを目指す本研究課題の重要性が浮き彫りになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
部分条件付け平均モデルの理論研究のうち、当初計画していた最初の2つの状況で部分条件付け平均モデルを一致推定できる逆確率重み付け推定量と二重ロバスト推定量を構成できたため。また、当初計画に含まれていなかったセミパラメトリックモデル下での適合度検定ならびに高齢乳癌患者を対象にした医療経済評価で成果を得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
部分条件付け平均モデルの理論研究に関しては、残る(3)健康状態の単調欠測がNMARで,QOL値の非単調欠測がNMARの場合、および健康状態が3つ以上ある状況での推定量構築に力を注ぐ。それらが終わり次第、シミュレーション実験に移る。 セミパラメトリックモデルのもとで適合度検定の研究に関しては、次年度に学会発表を行い(申し込み済み)、論文投稿を行う。
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