研究課題/領域番号 |
22K17872
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 重幸 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (90779464)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | コンパイラ / 自動並列化 / PIM / データ並列性 / 並列プログラム / プログラム合成 |
研究開始時の研究の概要 |
近年実用化段階になりつつあるPIM(Processing-in-Memory)プロセッサアーキテクチャは,低消費電力且つ高効率な並列計算を実現するポテンシャルをもつハードウェアである.しかし,PIM特有のハードウェア事情を考慮したプログラミングを要するため,正しく効率的な並列プログラムを記述するのが難しい.そこで本研究では,理解しやすい計算仕様から,PIMの計算性能を引き出す並列プログラムの構成を可能にするような,プログラムの自動合成技術を開発する.これによって,PIM上のプログラムの開発の生産性を高める.
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研究実績の概要 |
Processing-in-Memory(PIM)アーキテクチャに適したワークロードを調査し,文字列処理が有望であるという見通しを得た.文字列処理の中でも,特定のアプリケーションを扱うよりも,コンパイル技術を応用しやすく,汎用性が高い正規表現マッチングを研究する方が有望であると判断した.そして,並列マッチのためのオートマトンの定式化と,その実装技法を研究した.その結果として,従来手法よりもメモリ消費を抑制つつ,効率的にデータ並列処理を行うマッチャの実装を,正規表現から系統的に構成できるようになった.これは,PIMアーキテクチャの特徴である,メモリ制限が厳しい分散メモリ環境に適合した並列プログラムを自動構成する1つの事例研究であり,他の応用用途の並列プログラムの自動構成に関する知見も与える.本研究成果は,国内学会で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では,1年目に並列パターンを設計し,ライブラリとして実装し,それをPIMに有望なアプリケーションで評価するという想定であった.この順番を逆転させ,PIMに有望なアプリケーションから文字列処理に焦点を絞り,その代表として正規表現マッチングを選び,その効率的な自動並列化を研究するようにした.正規表現の並列マッチングは,並列パターンの1つとも見做せるので,具体的に取り扱う対象の決め方こそ当初の予定とは異なったものの,得られた成果は当初の予定に即したものである.
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今後の研究の推進方策 |
PIM向けの並列正規表現エンジンを開発し,評価する.並行して,PIMに有望なアプリケーションの候補して考えているインメモリデータベースのインデックスと並列クエリの自動構成に関する研究に取り組む.
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