研究課題/領域番号 |
22K17884
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 東京都立産業技術大学院大学 |
研究代表者 |
張 晁逢 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (00859043)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Communication / Resource management / Multitasking / Learning systems / Mobile communication / 無線ネットワーク / 深層強化学習 / ネットワーク最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代6Gネットワークでは、異種デバイス数の急増によりリソース管理がより困難になる。本研究の目的はネットワーク全体の性能向上を目指し、3C(Communication, Computation, Caching)リソースの知的な制御方法を考案することである。そのために、AI駆動のアルゴリズムに基づく多様な制御手法を通じてリアルタイムの3C制御フレームワークを構築する:1)深層強化学習をベースとした3C協調割り当て戦略を策定する。2)ユーザーのリソースシェアのインセンティブを向上させる。3)連合学習における同期リソース統合の実装実験によりタスク1と2の制御法を検証する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、初期の研究計画に基づき、ネットワーク全体の性能向上を目指して、3C(通信、計算、キャッシュ)リソースの知的な制御方法に関する研究課題に取り組んだ。具体的には、以下の3つのタスクを実行した:(1)3Cリソースの全体最適化管理、(2)リソースシェアのインセンティブ向上、(3)連合学習のリソース同期統合の実装。 主な研究成果は次の通りである:まず、複数の連合学習タスクを迅速かつ正確に完了した。ネットワークスライシング環境におけるエネルギーコスト、通信容量、計算容量などの要素を分析し、仮想キューベクトルと関連するリャプノフ漂流を提案した。これにより、キューバックログパフォーマンスを評価し、各スライスのKPI(キーパフォーマンスインジケータ)を最適化できるようにした。また、時変環境下での割り当てポリシー計算問題に対処するため、サービス指向の連合学習(FL)に基づく割り当てポリシー計算アルゴリズムを設計した。 研究成果の一部は、高いインパクトファクターを持つ国際論文誌であるIEEE Transactions on Green Communications and Networking(TGCN)に掲載されている。また、AIタスクの物理的な効益を反映するため、収束効率に基づく効用関数を提案し、仮想キューのリャプノフ漂流を使用してタスク割り当てプロセスをモデル化し、最適化目標に一致する公平な割り当て戦略を設計した。さらに、この研究成果の一部は、現在、IEEE Transactions 国際論文誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タスク1では、システム全体の定常状態モデルを確定した上、一時的な負荷変動に応じて各自キューの収束を目指し、システム全体の使用効率の最適化を設計した。タスク2では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)をLSTMに適用した上で、スパースデータとシーケンシャルデータを効果的の統合を実現した。タスク3では、適切な圧縮データ閾値の把握により、QoSと処理スビードを両立させることを検討できた。研究成果の一部は、2件の雑誌論文にて公表した。以上のことから、研究計画は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度の研究では、「深層強化学習に基づく割り当て戦略」と「AoIを活用した連合学習」について研究し、具体的には以下の3つの課題に取り組む。まず、(1)深層強化学習に基づく異なるリソースの割り当て戦略の開発、次に、(2)AoIに基づくユーザーの参加意欲の向上方法を探る。そして、(3)連合学習において3Cリソースの同期統合の検証を行う。 IoTやモバイルデバイスを使用した実機による実証実験を行うため、実験補助者の増員が予定されている。また、2年目では一定の研究成果が期待できるため、国内の研究会や国際会議、学術論文誌で研究成果を発表する予定である。
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