研究課題/領域番号 |
22K17886
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小林 諭 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (40824107)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ネットワーク運用 / インターネット / 自動化 / 模倣ネットワーク / コンフィグ管理 / データ収集基盤 / タクソノミー |
研究開始時の研究の概要 |
ネットワークの自動運用をオペレータの手を介さない自律的な仕組みで実現するには、ネットワークの動作を決める設定などの構成要素と、そのネットワークの実際の振る舞いを示す観測データが適切に対応づけられ、障害発生時に構成要素への変更という形でフィードバックできる必要がある。この研究では自動運用の前提となるネットワーク構成要素と観測データの対応づけの達成のため、実ネットワークおよび障害を意図的に起こせる擬似ネットワークの双方のデータの収集・解析に取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究ではネットワークの自律的な自動運用を支援するため、ネットワーク構成要素と監視データを対応づけるための系統的な分類器であるタクソノミーの構築に取り組んでいる。信頼のおけるタクソノミーの構築には限られた障害のみが表出する実データの解析だけでなく、多少な障害を網羅するための擬似障害データの併用が必要となる。2022年度はこの擬似障害データを収集するためのデータ基盤の構築に取り組んだ。 擬似障害データの収集基盤は、(1)障害を再現するための模倣ネットワークの構築、(2)障害シナリオ群の作成、(3)模倣ネットワーク上での障害再現による運用データ収集、の3つのステップで行われる。2022年度は主に(1)の模倣ネットワークの構築技術について調査および開発を行った。特にDocker上で模倣ネットワークを構築するためのネットワーク設定記述を支援する技術dot2tinetの開発を行った。これはネットワークの構成(トポロジ)と設定を明確に分離してトポロジをグラフで記述可能とし、かつIPアドレスなどのパラメータの自動割り当てを組み合わせた技術である。これにより、グラフの編集のみで容易にネットワークの構成変更や拡張を行うことが可能となる。この技術をDocker仮想環境上で模倣ネットワークを構築するツールTiNETと連携させることで、模倣ネットワークの構築自動化が可能となっている。この技術がCLOSトポロジネットワーク構成変更時の設定変更行数を92%削減することを既存の模倣ネットワーク構築支援技術との比較により示した(この成果を国際会議AINTEC2023にて発表している)。dot2tinetはGitHubにおいてオープンソースで公開している。 その他、タクソノミーによるネットワーク運用自動化の構成等について電子情報通信学会IA研究会などで発表・議論を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
模倣ネットワークを用いた擬似運用データの収集については一定の成果があり、順調に進んでいると言える。一方実データを用いた解析については、研究代表者の所属変更など計画上予期していなかった事態により当初の目標達成には至っていない。国立情報学研究所で運用しているSINETの運用データを利用するための共同研究体制が整ったため、2023年度よりこの実データの解析について本格的に取り組む。具体的には、実データの解析と擬似データの解析の順序を入れ替える形で擬似データ収集後に得られた結果を実データにフィードバックして比較検討する方針へと変更する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は引き続き擬似障害データの収集基盤の構築を軸に取り組む。Chaos Engineering技術の応用により模倣ネットワーク上で障害再現を行うための基盤構築を行い、この基盤で用いる障害シナリオの設計とタクソノミーの設計に取り組む。並行して実データの事前解析を進め、設計したタクソノミーで利用可能とするための前処理について検討を進める。 2024年度はこれらにより得られたタクソノミーについて、障害への対処における有用性の検討を行う。並行して、擬似データの網羅範囲を広げるため機械学習による障害シナリオ生成の研究を行う。これによりタクソノミーによる障害対処の自動化の信頼性向上に努める。
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