研究課題/領域番号 |
22K17895
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60080:データベース関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 諒平 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (40783709)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | FPGA / グラフ / 正規パス問合わせ / GPU / グラフニューラルネットワーク / OpenCL |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は,グラフニューラルネットワーク (GNN) のグラフ特徴量抽出を正規パス問合わせベースの特徴量抽出機能で補完し,大規模並列処理を実行するハードウェアである Graphics Processing Unit (GPU) と再構成可能ハードウェアである Field Programmable Gate Array (FPGA) を適材適所的に活用することによって,GNN の学習精度の向上と学習時間の短縮を同時に実現することを目指すものである.この方法論が実アプリケーションに対してどのように資するかを,アプリケーション実行結果の正しさ,実行時間,データサイズの観点から定量的に評価する.
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研究実績の概要 |
研究では,グラフニューラルネットワーク (GNN) の学習精度の向上と学習時間の短縮を同時に実現する手法の確立を目指すため,GNNのグラフ特徴量抽出を正規パス問合わせ (RPQ:Regular Path Query) ベースの特徴量抽出機能で補完し,大規模並列処理を実行するハードウェアである Graphics Processing Unit (GPU) と再構成可能ハードウェアである Field Programmable Gate Array (FPGA) を適材適所的に活用するアプローチを推進している.GNN は大量の行列積和演算を内包しており,その演算に特化したハードウェアである GPU を GNN のための演算加速装置として用いるのは定石である.一方,RPQ評価はパスがクエリと一致しているか否かの条件分岐が大量に発生する演算処理であり,条件分岐や例外処理のない大量の単純並列性が演算対象に内在することが演算性能を最大限引き出すための前提条件となる GPU とは相性が極めて悪い.つまり,GPU に適した演算である GNN を GPU にオフ ロードし,GPU にとって不得手な演算であるRPQ評価をベースとしたグラフ特徴量抽出機能を FPGA にオフロードするという両デバイスの適材適所的な使い分けが有効であると睨んでいる. 2023年度は,入力となるグラフデータが大規模化した場合に備えるべく,RPQ評価をベースとしたグラフ特徴量抽出機能を複数の FPGA を用いて並列化する研究を実施し,その元となるFPGA実装を新たに提案した.また,代表的なグラフデータおよび GNN 実装間における学習時間と精度の推移評価をNVIDIA H100 GPUを用いて実施し,性能ボトルネックとなる箇所をNVIDIAのプロファイリングツールによって解析した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
◎RPQ評価をベースとしたグラフ特徴量抽出機能のマルチFPGA実装を可能にするハードウェアアーキテクチャを提案し,実データセットを用いて提案アーキテクチャが正しく動作することを定量的に確認した. ◎GPU部で動作するGNN実装やその性能解析をNVIDIA H100 GPUを用いて実施し,性能ボトルネックとなる箇所を概ね明らかにした.
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今後の研究の推進方策 |
GPU・FPGA用の各種プロファイラを用いて,RPQ評価をベースとしたグラフ特徴量抽出機能のFPGA実装およびGNNのGPU実装の最適化作業を継続しつつ,GPU・FPGA連携によるグラフニューラルネットワークの高速・高精度化を実施していく.
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