研究課題/領域番号 |
22K17914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
川原 僚 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (80911263)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 3次元形状復元 / コンピュテーショナルフォトグラフィ / カメラキャリブレーション / 多視点ステレオ / コンピュータビジョン / 3次元形状復元 / マクロフォトグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
広視野な視覚情報処理をミクロな世界で実現することを目指すにあたり,本研究では計算機視覚として接眼レンズを用いず,球面レンズを利用した接写撮影によって,広範囲に合焦した拡大撮影が可能であることに着目する.そしてこれを鏡の利用により多視点へと拡張した,球面レンズ式マクロステレオフォトグラフィーによる微小物体の三次元形状・反射率計測という研究課題に取り組む.本研究課題の遂行は,ミクロな世界での対象表面の形状だけでなく,反射率を得る手法として,精密機器の検査,内視鏡をはじめとした医療への応用,受精卵の解析による生命情報学および養殖業への貢献など,多分野への波及効果が期待される.
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研究実績の概要 |
研究目的: 本研究の目的は,球面レンズを用いたマクロステレオフォトグラフィの光線解析による微小物体の三次元形状・反射特性計測である.対象表面の視覚的情報を広範囲に捉える光学系として球面レンズおよび鏡を用いた撮像系を考える.撮像系が捉える光線空間を,その物理的なモデル化によって観測情報から獲得し,得られた光線空間の幾何学的・光学的解析によって不透明物体の表面形状および反射特性の復元手法までを明らかにする.よって具体的には,実際の内視鏡を設計して撮影・解析を行うのではなく,等価な環境として光源,球面レンズ,鏡,カメラを準備し,被写体を接写撮影できる環境を構築して手法の有効性の実証に注力する.
令和4年度の実施計画及び内容: - プロジェクタ,球面レンズ,表面反射鏡,カメラからなる接写撮像系において,撮像系が捉える光線空間をモデル化するにあたり,まずはプロジェクタの各画素から照射されカメラで観測される光線についての物理的な変換関係を記述した.そして撮像系の具体的な配置の設計,光線空間の記述とその幾何学的解析方法を明らかにするとともに,撮像系のキャリブレーション法を確立した. - 計測環境を実際に構築して撮像系のキャリブレーションを行い,不透明物体として1センチ以下の拡散反射物体を対象とし撮影を行った.そして観測情報から得られる光線空間の解析によって形状計測を行い,得られた形状の評価によって手法の有効性を実証し,これらの成果をとりまとめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は,令和4年度の計画にある「撮像系における光線空間のモデル化」に加え,令和5年度の計画である「光線空間の解析による三次元形状計測」の一部を完了し,その成果を取りまとめた.具体的には,能動光源としてのプロジェクタ,球面レンズ,表面反射鏡,カメラからなる接写撮像系を構築し,光線の記述,撮像系のキャリブレーション法の確立,および1センチ以下の拡散反射物体を対象とした対象表面の密な奥行きとしての三次元形状を行った.
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今後の研究の推進方策 |
以降の計画として,対象表面の密な法線の復元および,令和6年度の計画にある「光線空間の解析による三次元形状・反射特性計測」に着手する.つまり,具体的には1センチ以下の非拡散反射物体を対象とし,能動光源の向きを多様に制御しながら,対象表面の形状だけでなく反射特性の獲得を目指す.
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