研究課題/領域番号 |
22K17915
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
木下 裕磨 東海大学, 情報理工学部, 特任講師 (30913016)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 無線音響センサネットワーク / マイクロフォンアレイ / 深層学習 / End-to-End最適化 / 音響シーン分析 / センサネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,複数のマイクロフォンによるセンシング処理と,それらマイクロフォンから得られる音響信号を融合し音を分析する処理の両方をEnd-to-Endで最適化することにより,広い空間における音響シーン分析の精度を格段に向上させることである.マイクロフォンにより音のセンシングを行うセンサノードと,センサノードから得られる音響信号の融合と分析を行う融合センタを無線接続した無線音響センサネットワークを構築し,センサノードと融合センタそれぞれの処理を深層ニューラルネットワークとして実装する.実環境における様々な制約を考慮しながらシステム全体を最適化し,実環境における音響シーン分析の性能を最大化する.
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研究実績の概要 |
2023年度には,無線音響センサネットワークを用いた音響シーン分析システムのシミュレーションに関して,前年度に得られた音響シーン分析システムのEnd-to-End最適化に関するシミュレーション実験結果を論文として取りまとめ,国際的な論文誌への投稿を行った.当該論文は現在査読中である.具体的な内容は,特殊な無線音響センサである「ブリンキー」に注目し,ブリンキー信号伝搬時の減衰やサンプリングレート変換に対するシステムの頑健性獲得,および,信号の一部区間の損失に対するシステムの頑健性獲得に対し,システムのEnd-to-End最適化が有効であることを示すものである. また,これまでのシミュレーションより現実的な状況として,システムのEnd-to-End最適化に必要とされる信号伝達関数が未知で,End-to-End最適化に必要となる信号伝達関数の勾配が計算できない場合を想定した検討を進めている.この検討においては,1) 信号伝達関数の勾配をブラックボックス最適化の手法を用いて近似することでEnd-to-End最適化を行う方法,および,2) センサノードにおける音のセンシング処理を自己教師あり学習を用いて獲得する方法を調査している.1) に関しては,より詳細な実験を行うなど,成果を学会で発表すべく準備を進めている最中である.一方,2) については,得られた成果を電子情報通信学会総合大会にて発表した. 加えて,多チャンネル音響信号データセットの構築に向け,標準電波JJYを音響信号に混合しそれらを同時収録することによって分散マイクロフォンアレイにより収録される音響信号を同期する,新しいフレームワークを検討している.その検討成果は,電子情報通信学会総合大会にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度における研究代表者の異動によって,2022年度は進捗状況がやや遅れている状況にあった.しかしながら,2023年度には,無線音響センサネットワークを用いた音響シーン分析システムのシミュレーションや多チャンネル音響信号データセット構築に向けた検討が順調に進展し,それぞれで成果を発表することができた.よって,本研究課題の現在の進捗状況はおおむね順調であるといえる.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には,本年度に引き続き,無線音響センサネットワークを用いた音響シーン分析システムのシミュレーションを行い,実環境で利用可能なシステムの実現に向けた検討を進める.また,無線音響センサネットワークを構築して種々の多チャンネル音響信号データセットを整備するため,音響信号とJJY信号の同時収録を行えるセンサノードのハードウェア開発を行う.センサノードの作成が完了した後には,音の分散収録実験を実施し,無線音響センサネットワークによって同期した多チャンネル音響信号が収録できることを確かめる.
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