研究課題/領域番号 |
22K17916
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 愛知工科大学 |
研究代表者 |
久徳 遙矢 愛知工科大学, 工学部, 助教 (50807930)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 歩行者検出 / 動作信頼度 / センサフュージョン / 可視光カメラ / 遠赤外線カメラ / LiDAR |
研究開始時の研究の概要 |
自動運転システムや先進運転支援システムに関する研究が盛んな中,研究代表者は先進的な技術として,歩行者検出器の入力データ毎の動作状況を,それ自体の動作とは独立に外部から判定する機構を導入した信頼度推定システムを提案してきた. 本研究ではこれを高信頼度領域と低信頼度領域が混在する状況に対応可能な,領域毎の動作信頼度推定システムへ拡張する.具体的には, (1)局所領域解析および車両周辺環境に応じた局所信頼度の定義 を行い,この解析結果および定義に基づいて(2)異種センサの併用による高い汎用性を持つ局所信頼度推定器の構築 を進める.そして,(3)多様な実環境データを用いた提案手法の有効性の確認 を行う.
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研究実績の概要 |
カメラ画像に対する歩行者検出器の動作信頼度を,入力となる観測画角内の領域毎に推定するシステムの構築を目的として,「研究実施計画」において達成事項として掲げていた「入力データと検出器の局所的な挙動の対応に基づき,任意の検出器に対して適用可能な枠組み定義」および「検出器が用いるセンサとは異なるセンサ情報の併用」,「各センサ情報の統合利用」に跨る知見を深める研究を推進した. まず,異なるセンサである可視光カメラと遠赤外線カメラそれぞれを入力とする2種の検出器について,観測時刻毎かつ領域毎にどちらが信頼できるか選択する枠組みを構築した.この「どちらが信頼できるか」について,検出器には「誤検出」と「未検出」の2通りがある.これまでの研究では,これらを独立に扱い,学習データ数確保の問題から「誤検出に対する信頼度」のみを,観測時刻毎のみ,すなわち画像全体に対して判定してきた.これに対し,より重要な「未検出」を優先しつつ「誤検出」も同時に取り扱う形へ拡張した新たな指標を定義し,「領域毎にどちらのカメラが信頼できるか」の判定を試みた. この枠組みを,領域毎カメラ選択器の構築およびその出力の重ね合わせにより実現した.評価の結果,画像全体に対して信頼度を推定する手法に比べて劣る結果となった.一方,各カメラの歩行者検出器単体の結果よりも高精度な結果を得ることができた.この結果は,特徴量設計に改善の余地が残り,「信頼度」という「度合い」の判断には至っていないものの,観測画角内の領域毎に歩行者検出器の動作状況を推定可能であることが示唆された点で意義深いものである. 加えて,データの潤沢な可視光カメラ用モデルの出力をデータが不足している遠赤外線カメラ用モデルの構築へ活用することでデータ不足を解決する試みや,さらに情報を補完するために使用予定であるLiDAR情報をカメラ情報と横断的に扱うための試みを推進した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集用の実験車確保に時間を要し,公開データセットのみによる研究推進を余儀なくされた.加えて,そのデータセットの品質に問題があることが発覚し,対応を要した.これにより,「領域毎の動作信頼度を考慮したカメラ選択」までは到達したものの,「領域毎の動作信頼度」そのものの推定にまでは至らなかった分,若干の遅れが認められる.
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今後の研究の推進方策 |
入力データに対する局所的な解析に繋がる知見を深め,「可視光カメラと遠赤外線カメラそれぞれを入力とする2種の検出器における領域毎の動作信頼度を考慮したカメラ選択」を実現できた.しかし特徴量設計が不十分であったため,まずは局所的な状況をより詳細に表現可能な特徴量の設計もしくは学習の枠組みの構築を進める.そして,数値的な信頼度の定義および算出,さらに推定を進めていく.また,実験車の入手を完了した.そこで,より適切に他センサを併用するための独自データセットの構築を進めていく.
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