研究課題/領域番号 |
22K17917
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
植田 祥明 福岡大学, 理学部, 助教 (80846064)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | カラー画像強調 / 視認性改善 / 等色相平面 / 画像処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請課題では、非常に暗い状況で撮影された低照度画像や、逆光の状況で撮影された逆光画像の視認性を向上させる画像処理技術の開発を目指す。低照度画像や逆光画像は、全体または一部が非常に暗いため視認性が悪く、防犯カメラや車載カメラ等を用いた監視や認識において深刻な問題となる。本研究では、「色の凸結合表現に基づくカラー画像の強調」を低照度画像や逆光画像の視認性改善処理に特化させることで、学習データに依存しない、高速な視認性改善アルゴリズムを開発することが目的である。
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研究実績の概要 |
本研究は、逆光の状況や非常に暗い環境で撮影された画像の視認性改善手法の開発を目指すものである。特に、画像強調においては色相を変化させることなく、画像の明度や鮮やかさを調整することにより視認性を改善することが望まれるため、凸結合係数の変換による色相保存型画像強調の開発を行う。また、他の色空間における色の表現方法との関係に注目することで、本研究の位置づけを明確にすることを目的としている。 当該年度は、逆光画像において、凸結合係数の分布から抽出された代表点を基準とし、その点を中心に係数の分布を変換するトーンカーブを提案した。これを用いることにより、色相を変えずに複数の画像強調結果を生成し、それらを複数のスケールで融合することにより、画像全体のコントラストと局所的なコントラストの両方を考慮した視認性改善手法を提案した。実験結果より、画像全体の明暗の序列や局所コントラスト、画像の自然さにおいて、比較的良好な強調が実現できることを確認した。しかし、暗部に若干のざらつきが発生するため、これらを抑制するようなアルゴリズムへと改善する必要がある。また、RGB色空間の等色相平面に着目することにより、2色刷りされたカラー文書画像の色相推定およびノイズ除去に関する検討を行った。具体的には、射影誤差が最小となる等色相平面を推定し、その平面に画素を射影し、色相を統一することで、画像の色相を補正する方法を提案した。実験では、画像全体の色相を補正することにより、画像のエントロピーを低下させることに成功した。これにより、RGB色空間における等色相平面の利用可能性に関して一定の知見を見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究遂行のためのエフォートを十分に確保することができなかったため、逆光画像の強調法を精緻化するための検討および実験に遅れが生じた。そのため、当初予定していた計画よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた計画のうち、逆光の環境下における画像強調については昨年度のうちに研究を進めることができたが、さらなる画質の向上に向けて手法の改善を進める必要がある。また、低照度画像における視認性改善については、当該実験ができない期間に改善の方針を検討していたため、設備の準備が整い次第、遅れを挽回すべく研究を進める。また、凸結合表現に基づくカラー画像の視認性改善処理を、他の色空間で実現するために、関連技術に関する調査、検討を行う。具体的には、色空間に関する文献調査や、現在開発している手法の拡張を行う。
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