研究課題/領域番号 |
22K17925
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
イ ジウン (李智恩) 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (00898314)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 自動運転 / 外向けHMI / 信頼感 / ヒューマンマシンインタフェース / 交通安全 / ヒューマンファクター |
研究開始時の研究の概要 |
自動運転車は外向けヒューマンマシンインタフェース(HMI)を通じてシステム自身の意思を表明することで,歩行者の道路横断時に迅速かつ安全な行動を導くと期待されている.しかし,歩行者が外向けHMIを介したインタラクションを経験すればするほど,歩行者は外向けHMIからの情報だけを過剰に信頼し,交通状況を十分に確認しないまま横断を開始してしまう状況が起こりうる.本研究では,歩行者が外向けHMIを過信せずに,歩行者自身の適切な状況認識と意思決定を促す外向けHMIの構築を目指し,過信を引き起こす外部・内部要因の精査とそれを適用した外向けHMIをVR環境上で実装し,被験者実験を通じた評価を行う.
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研究実績の概要 |
本研究では,自動運転車両の外向けヒューマンマシンインタフェース(HMI)と歩行者間のインタラクション時に醸成される過度な信頼感の背後にある要因の分析を行う.さらに,信頼感に影響する要因を考慮した外向けHMIの構築と認知工学的実験を通じた外向けHMIの有効性を検証する. 2022年度は,外向けHMIの多様なデザインについて調査を行い,オーナーカーやサービスカー等の車両の目的による外向けHMIのデザイン検討の必要性を確認している.これらの知見をまとめて,実際に人々がどのような外向けHMIのデザインを望ましいと考えているか,及び,どのような交通場面においてリスクを感じているかなどを確認するためには,人口統計学要因を考慮した大規模のWebアンケート調査を行う必要がある.Webアンケート調査に用いる交通環境の画像・動画を作成するため,オランダ・アイントホーフェン工科大学の研究チームが配布しているバーチャルリアリティプログラムを導入している.調査参加者には,歩行者目線で外向けHMIを評価していただくことから,現実感を向上できるVRシミュレーションを作成する予定である. 現行の課題として,今後の認知工学的実験の実施を備えたアイトラッキング機能付きのVRデバイスの購入と,それとVRシミュレーションの連携が可能な環境を整備する必要がある. 今後の方向性としては,歩行者-外向けHMI付き自動運転車間のインタラクションをシミュレーションできる環境の構築に加え,Webアンケート調査の実施方法における検討と認知工学的実験の準備も進めていく予定である.さらに,収集した調査データの分析から,信頼感の背後にある要因と信頼感を定量的な関係に表すための共分散構造分析を進め,外向けHMIにおける歩行者の信頼感に関するフレームワークを構築しようと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
外向けHMIの研究を主導しているオランダ・ドイツの研究者と新しいネットワークを構築したことから,申請書に書いてあるWork Package 1-3を通して最も大きく影響するVRプログラムを確保し,及び,順調に導入しており,おおむね順調に発展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
Webアンケート調査については今年度の上半期での実施を考慮に入れて,年度末にはそのデータ分析結果に根拠する認知工学的実験を行う予定である.
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