研究課題/領域番号 |
22K17928
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
金成 慧 宇都宮大学, 工学部, 助教 (40813770)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 視運動性眼振 / 瞳孔反応 / 視覚的注意 / 頭部運動 / 注意推定 / 注意シフト / 眼球運動 |
研究開始時の研究の概要 |
人が対象に視線を向ける前に,注意がその対象に向くことが知られている.申請者は,容易に計測可能な生理指標である視運動性眼振(optokinetic nystagmus; OKN)・瞳孔反応のデータに基づいて,注意を切り替えるタイミングが推定できることを明らかにした.本研究課題では,実環境に近い3次元シーンにおいて,頭部運動をした場合,OKN・瞳孔反応から注意シフトを推定できるか明らかにする.本研究の成果は,実環境における注意シフト推定システムの向上に大きく貢献し,車両の事故防止や注意機能の支援ツールの実現に寄与する.
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研究実績の概要 |
人が対象に視線を向ける前に,注意がその対象に向くことが知られている.この注意がシフトする前兆を推定できれば,車両運転者や注意機能が弱い人のための行動推定・支援に役立つ.本研究課題では,実環境に近い3次元シーンにおいて,頭部運動をした場合,視運動性眼振(OKN)・瞳孔反応から注意シフトを推定できるか明らかにすることを目的とした.当該年度では,注意を空間的にシフトさせたときに,その前兆がOKN・瞳孔反応に生じるか明らかにすることを目的とした.運動方向と明るさが異なる2つのランダムドットパターンをディスプレイに呈示し,頭部と視線を中央に固定したまま,ランダムな時間で音声により注意を向ける方向を教示した.注意位置にはドットと同じ速度・方向で運動する数字が現れた.参加者がその数字を応答することで,注意を向けていたか確かめた.参加者の注意状態を制御するため,音声と数字の呈示タイミングや回数は固定・ランダムの2条件行った.そして,注意をシフトしたときの眼球運動・ 瞳孔反応を測定した.コントロール条件として,注意シフトなし条件,視線を直接シフトする条件を行い,注意をシフトさせた条件のOKN・瞳孔反応と比較した.その結果,注意を空間的にシフトした位置の対象の運動方向・明るさと対応したOKN・瞳孔反応が生じた.また,OKNにおいては,注意をシフトする前兆が観察された.これらのことから,OKNを測定することで,注意シフトを事前に予測できることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度に予定していた実験を実施し,期待していた結果が得られた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究計画通り,頭部を動かした場合,注意シフトをOKN・瞳孔反応から推定できるか明らかにする.頭部を動かす方向は視覚的注意と一致・不一致の条件を行う.また,コントロール条件として,視線を中央に固定する条件,視線を頭部と一致・不一致させて動かす条件を行う.眼球運動測定装置を用いて,頭部運動を含めた眼球運動・瞳孔を測定する.
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