研究課題/領域番号 |
22K17933
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
LIU CHANG 京都大学, 医学研究科, 助教 (30944087)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 聴覚性選択性注意の促進 / 高度な訓練 / 総合的な訓練 / バーチャルリアリティ / 高次脳機能障害 / リハビリテーション / 最小限な操作 |
研究開始時の研究の概要 |
高次脳機能障害の症状を持つ患者は,従来のリハビリテーション(以下,リハビリ)の検査において高得点を獲得できても,実際に存在する社会生活場面,例えば市役所や郵便局で要件を完遂できるかは不明である.そのため,現実に近い環境での訓練が望ましいが,空間的・費用的な理由によりリハビリ施設で実施することは難しい. 本研究では,没入型バーチャルリアリティ(以下,VR)で提供される現実さながらの環境下における新たなリハビリ方法を考案する.VR訓練による患者の注意機能および遂行機能への影響を紐解き,VR空間における社会生活場面に近い情景での訓練を用いることで,実際の社会生活場面でのパフォーマンスを向上させる.
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研究実績の概要 |
実際の社会生活場面を模したVR郵便局タスクを実装し,療法士としての専門知識を持つ健常者17名を対象に,有用性調査を主目的とした被験者実験を行った.その結果, 1) VR課題は遂行機能及び視覚性の注意を従来方法と同等に要求することに加え,聴覚性の選択性注意の使用を有意に促進できる, 2) 会話能力を要求する課題を取り入れることで従来の認知機能訓練・検査より総合的かつ高度な訓練を行うことができる, 3) 没入型VRにおいて,頭部の回転運動及び決定ボタンのみに限定される最小限な操作でも,認知能力を対象としたリハビリを実現できることがわかった. また,ディスプレイ上にレンダリングされるコンテンツのみならず,実世界にある器具を追跡しVR内のコンテンツと連携させることで,VR認知タスクの総合的な訓練効果を向上させることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの結果を踏まえ,実世界にあるリハビリ用器具と連携させることで,VR認知タスクの総合的な訓練効果を向上させる着想を得たのち,セットアップの改良および実験を行い, IEEE EMBC2024 (https://embc.embs.org/2024/) の Full Paper として採択された.(公開予定)
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今後の研究の推進方策 |
VR コンテンツに会話能力を要求する課題を取り入れ,実世界にあるリハビリ器具と連携されることで,従来の認知機能訓練・検査より総合的かつ高度な訓練を行うことができることを踏まえ,今後の研究方向性として,主に対話型AIを活用し,社会生活情景に対応した対話訓練を行える VR 課題を検討することが挙げられる.
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