研究課題/領域番号 |
22K17941
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 神戸市立工業高等専門学校 |
研究代表者 |
高田 崚介 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (30909627)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 導電繊維 / テキスタルインタフェース / ウェアラブル / ゴムセンサ / バーチャルリアリティ / ポーズ認識 / センサスーツ |
研究開始時の研究の概要 |
導電繊維をセンサとして用いることにより,安価かつ軽量・装着性が良く,洗えて壊れにくいデータグローブ技術を開発してきた.本技術にて指の曲げ/開き/指同士の接触および接触位置といった手形状を認識可能である.本技術を拡張し,身体全体の姿勢を認識することを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究は、これまで開発してきた手袋向けの導電繊維を用いたセンシング技術を他の衣類等への応用、および導電繊維を含めた導電衣類開発用素材を開発するものである。そこで、1)導電性靴下への応用、2)レーザ加工による天然ゴム表面の炭化による導電素材の開発を試みた。 その結果、今年度は学会にて3件の成果を報告した。①靴下型の足の足趾および足首の曲げ計測技術、②カーペットおよび靴下を用いたユーザの立ち位置並びに向きの推測技術、③レーザ加工によって天然ゴム表面を炭化させることにより、導電化させ、それを曲げセンサとして応用できるかの調査を行った。 ①の研究成果はこれまで研究開発してきた手袋型デバイス向けのセンシング技術を導電性靴下に応用可能か調査したものであり、十分に適用可能そうであることを報告したものである。また、②の研究成果は導電性靴下に提案手法を適用するだけでなく、カーペット型の導電センシングデバイスの開発および、2種類の導電性デバイス間のインタラクションを含んだセンシング技術となっている。また、これまで提案してきたセンシング技術ではウェラブルデバイス上にセンシング回路やバッテリ等を搭載するものであったが、本手法ではカーペット側にそれらの回路を搭載し、靴下側には電気抵抗やダイオードといったパッシブな電子素子のみの搭載で良い点で異なっており、装着感が良くなっている。③の成果ではゴムを用いたウェラブルセンシング技術開発を目指したものであり、ゴム表面をレーザ加工にて炭化することで曲げセンシングはできそうであるが、やや実用性に欠けるという結果であった。 これらの成果は足という新たな適用領域の開拓および新しいウェアラブルセンシング用素材開発につながるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、靴下型ウェラブルセンシング技術の開発およびウェラブルセンシング用の新素材として天然ゴムの開発に取り組んでいる。その結果、①カーペットおよび靴下を用いたユーザの立ち位置並びに向きの推測技術、②靴下型の足の足趾および足首の曲げ計測技術、③レーザ加工によって天然ゴム表面を炭化させることにより、導電化させ、それを曲げセンサとして応用できるかの調査を行った。 ①の技術は、導電繊維を格子状に編み込んだカーペットを作製し,つま先/かかとに導電繊維が編み込まれた靴下を用いて,装着者の足の位置および向きを推定するものである.特徴として、カーペット側にのみセンシング回路を搭載し、靴下側にはパッシブ型の電子素子のみで、電源を搭載する必要がないため,ユーザの装着感を妨げない. ②の技術はこれまで開発してきた技術が導電性靴下に適用可能化どうか調査したものであり、十分に足の姿勢を認識できそうであることが示された。 ③の新素材の調査では、天然ゴムを導電化し、曲げを計測できるということは示されたものの、抵抗値が非常に高く、また劣化しやすく安定的ではないことが課題となっている。 採択からの1年間で、当初予定していた靴下型などの手袋以外の衣類への適用を行っており、申請書執筆時には想定していなかった新素材の利用検討を行っている点から、新素材については実用的ではないという結果になったものの、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、靴下型ウェラブルセンシング技術の開発およびウェラブルセンシング用の新素材として天然ゴムの開発を行った。その結果、①カーペットおよび靴下を用いたユーザの立ち位置並びに向きの推測技術、②靴下型の足の足趾および足首の曲げ計測技術、③レーザ加工によって天然ゴム表面を炭化させることにより、導電化させ、それを曲げセンサとして応用できるかの調査を行った。 ①および②の成果は足という新たな適用領域の開拓および新しいウェアラブルセンシング用素材開発につながるものである。また、①ではカーペットを用いており、衣類だけでなく環境そのものへの適用も含んだものである。②に関しては、靴下にはパッシブ型の電子素子のみを搭載する点でもこれまで開発してきた技術に比べて新規性を含んだものである。③に関しては曲げ計測自体はできるものの、抵抗値が高すぎる・安定的でないため実用化はまだ難しそうである。 そのため、今後は靴下型を用いた足趾および足首の曲げ以外のセンシングへの応用を図る。例えば足の重心や足裏の荷重といったものである。また、靴下以外のジャケットや帽子、ズボンといった衣類への適用を目指す。また、カーペットに流す電気信号も単純な直流電圧以外のものを試み、他の姿勢が認識できるか試す。さらに、カーペット以外にスリッパや靴といった履物と靴下とを組み合わせた技術についてもどのようなセンシングへ応用可能か調査する。③のゴムの導電化に関しては技術的課題が大きいため、他の素材を試みる。また、当初の予定であった本テーマに適した導電糸の開発に取り組む。
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