研究課題/領域番号 |
22K17944
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伊藤 寛祥 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (90875741)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マルチエージェントシステム / 時系列データ解析 / 機械学習 / グラフデータマイニング / ゲーム理論 / 時系列解析 / 制御理論 / ソーシャルネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
AI技術の発展により,今後人工知能が人間社会において,人間と共存した社会を構成していくことが期待されている.しかしながら,人間の行動原理のブラックボックス性より,人間とAIが共存する環境におけるAIの最適な行動については未だ十分に検討されていない.本研究では, AI が人間と相互にコミュニケーションをとる環境を想定し,人間の行動方策と利得の推定およびその充足度の予測を行いながら,社会全体における利得の期待値の最大化を目的とするAIの制御理論の確立を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,AIが人間と相互にコミュニケーションをとる環境において,人間の行動方策と利得の推定および充足度の予測を行いながら,社会全体における利得の期待値の最大化を目的とするAIの制御理論の確立である. 本年度は,(1)SNSにおける人間社会の人間関係と各人の興味関心の変化の予測手法の考案,(2)人間とAIが共存するプラットフォームにおける最適なタスク割当手法の考案,(3)人間のインタラクションによる集団と個人の価値観の推定のための基盤システムの構築の3つのテーマに取り組んだ. (1)については,SNSにおけるユーザの価値基準をデータから学習し,各ユーザはその価値基準を最大化するように行動するという仮定のもとでマルチエージェント強化学習に基づきユーザの社会構造の変化を予測する手法を構築した.この成果は1件の査読付き国際会議論文に採録・発表したほか,国内会議で発表し学生プレゼンテーション賞を獲得した.(2)については,人間とAIが共存するクラウドソーシング環境を想定した際に,これらのワーカに対する最適なタスク割り当て方法について検討した.これらの成果は人間とAIが共存する社会における最適なタスク分割において基礎的な知見となると考えられる.これらの成果については3件の査読付き国際会議に採録・発表し,1件を国内会議で発表した.(3)については,人間が入力したフィードバックをもとにどのような嗜好を持つ集団が存在するか推定し,各ユーザが最も好むアイテムをより早く提示するシステムの構築と,ユーザのシステムとの対話の過程からユーザのデータの管理基準を自動的に推定するシステムの構築を行った.これらの成果については1件の査読付き国際会議に採録されBest Student Paperを受賞したほか,3件を国内会議で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
人間とAIが共存する環境における予測モデルと最適なタスク分割と人間の価値観の推定方法について成果が得られており,今後取り組む,人間とAIの共存社会の制御理論を構築するための基礎となる成果が一定上得られたと考えるため,当初の計画以上に進展していると評価する.
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今後の研究の推進方策 |
今後は本年度で得られた研究成果を国際会議論文として出版するための論文執筆を行っていくほか,社会の変化の予測に基づく最適な制御を行うための基礎理論の構築に取り組んでいく.
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