研究課題/領域番号 |
22K17967
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井上 広明 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10833171)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 因果探索 / 潜在ダイナミクス推定 / 状態空間モデル / 確率的時系列解析 / データ同化 / ベイズ統計学 / 機械学習 / 人工知能 / データ駆動科学 / 因果構造推定 / 潜在変数推定 / 動的データ / ベイジアンネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
近年,あらゆる分野で多種多様なデータが取得・蓄積され,その活用が期待されている.その中でも,データの変数間の未知の因果構造を抽出することは様々な分野において重要である.しかしながら,直接観測することが困難な潜在変数が因果関係に関与していることも多く,因果関係を抽出するためには潜在変数の推定も同時に行う必要がある.静的なデータに対して,潜在変数と因果構造を同時に推定する方法は多く提案されているが,動的なデータに対する方法は確立していない.本研究では,動的なデータを用いて潜在変数,静的な因果構造,動的な因果構造を同時に推定するためのデータ駆動型アプローチを新たに開発する.
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研究実績の概要 |
本研究課題では,未知の動的なシステムにおいて,観測することが可能な動的なデータを用いて,観測データの背後に存在する潜在変数,静的な因果構造,動的な因果構造を同時に推定するためのデータ駆動型アプローチの研究を行っている.
2022年度においては,動的な観測データから潜在変数とモデルパラメータを同時に推定するために提案されている自己組織化状態空間モデルをさらに拡張したモデルを新たに提案した.提案手法では,自己組織化状態空間モデルに温度に対応する潜在変数を導入することで,従来手法の初期分布への依存性を改善し,大域的な推定を実現した.さらに,神経細胞の数理モデルに基づく数値実験データを用いた検証実験を行い,従来手法では局所解に陥ってしまうような初期分布においても,提案手法を用いることで同様の初期分布から大域解の推定が実現可能なことを示した.さらに,これらの得られた成果について,国内会議において発表を行った.また,静的な因果構造と動的な因果構造を表現することが可能なダイナミックベイジアンネットワークを状態空間モデルとして表現しなおし,静的な因果構造と動的な因果構造を状態空間モデルのモデルパラメータとして推定する方法について研究を行った.さらに,静的な因果構造と動的な因果構造を持つ小規模なネットワークにおいて,観測される動的なデータから潜在変数,静的な因果構造,動的な因果構造を同時に推定する実験を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の実施事項として当初に予定していた通り,ダイナミックベイジアンネットワークを状態空間モデルとして表現しなおし,小規模なネットワークにおいて静的・動的因果構造の推定を行ったため.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度にはダイナミックベイジアンネットワークを状態空間モデルとして表現するとともに,状態空間モデルの潜在変数とモデルパラメータを同時に推定するための新たな手法を提案した.しかしながら,現状では小規模なネットワークでの実験に留まっているため,今後は大規模なネットワークでの実験を進める.また,大規模化に伴い推定される因果構造が複雑になりすぎることが考えられるため,スパース事前分布を応用することを検討する.
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