研究課題/領域番号 |
22K17973
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61050:知能ロボティクス関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 慎介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (20943575)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 生体規範ロボット / 開放関節 / 脱臼 / 腱駆動 / 耐衝撃 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は, 生物の筋骨格身体に学んだ開放関節構造の構成法を明らかにし実ロボットにて評価することである. 特に, 関節内神経系に学んだ脱臼検知制御機構の開放関節構造への実装により, 脱臼回避及び高可動域, 耐衝撃運動の実現が期待される. 従来, 特に軸駆動ロボットにおける関節間力は, 合力として捉えられるか存在自体が看過されていた. 本研究における新規構成要素としての"骨格間力覚"の搭載により, 関節接触面における圧力中心の評価, 拮抗腱駆動を活用したフィードバックが可能となると考えられる. 脚ロボット等の足裏センサ情報に基づく姿勢維持・転倒回避に倣った, 関節次元での安定化が期待される.
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研究実績の概要 |
本年度は, 脱臼検知制御を目的とした骨格間力覚を備える生体規範開放関節の駆動系構築および動力学シミュレーションに取り組んだ. 動力学シミュレータMujocoを活用し, 球関節部を模したモデル構築を行った.ソケット部とボール部の拘束条件に関して, 典型的なボールジョイントでは並進のモデリングが困難であることから, 一切の拘束を持たないフリージョイントとして実装を行い, 筋アクチュエータの内力を活用することによる拘束を図った. 加えて, ソケット部の凹形状を適切に衝突判定に考慮するための前処理を行った. 筋経路をボール上に適切に配置することにより, 意図した挙動を示すことを確認した. おもりを搭載した球関節モデルに関して, 筋アクチュエータの張力を活用した挙上動作により挙上に伴い圧力中心が移動することが動力学シミュレーションにて確認された. 以上の成果を, 第41回日本ロボット学会学術講演会 (RSJ2023) にて発表した. 加えて, 実機関節モデルの構築を行った. 昨年度構築した骨格間力覚コンポネントを備えたソケット部に対して, IMUセンサを備えたボール部, そしてブラシレスDCモータを用いた筋アクチュエータを実装した. モータに電流を流した状態で, リンク先端の外力に対して若干の摩擦的挙動を示しつつも追従する可能性が示された. 以上, 次年度である本年度は, 脱臼検知制御ロボットの構築に向けた関節部シミュレーションと実機の構築を行った. 最終年度ではロボット関節実機における脱臼検知制御の評価検討を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次年度である本年度では, 関節部と駆動系の統合,関節間圧力中心や接触力情報の駆動系指令へのフィードバックを目標としていた. 関節部と駆動系の統合に関して, 実機関節モデルを開発するとともに動力学シミュレーション環境を構築した. 関節間圧力中心や接触力情報の駆動系指令へのフィードバックを, 動力学シミュレーションにて検証し, 関節間圧力中心が関節運動に従い変化・取得可能であることを示した. 上記成果を学術講演会にて発表した. これらの成果より, 研究がおおむね順調に進行していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
次年度では実機関節部における脱臼検知制御の実証を進める. 構築した球関節モデルにおいて, 動力学シミュレーションの結果をベースとした関節間圧力中心・フィードバックを検証する. 動力学シミュレーションの結果との比較検討, 多自由度ロボットへの統合を進める.
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