研究課題/領域番号 |
22K17997
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中尾 康彦 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20928030)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | AI / CT画像診断 / ディープラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
夜間救急医療において、脳動脈瘤の自動検出、くも膜下出血の自動診断、COVID-19肺炎の検出、他の肺炎との鑑別など限定された臓器におけるAI画像診断能は人の目よりも優れていると報告され、医師の診断精度と速度を向上させている。しかし、急性腹痛症に対するCT 画像のAI診断は臓器数や鑑別疾患数が多く未だ実現していない。本研究は、深層学習の畳み込みニューラルネットワークを使用し、急性腹痛症のCT画像から緊急疾患毎のAI診断“分散学習モデル”を開発する。2次救急病院と大学病院から腹部CT合計約10,000件 を抽出しAIシステム開発を行う。地域医療を対象とした医療負担の軽減につながる。
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研究実績の概要 |
夜間救急医療において、腹部疾患に対するCT画像のAI診断は未だ研究段階である。本研究は、深層学習を利用し、過去の夜間救急画像から疾患の緊急性を瞬時に予測し当直医に通達する腹部CT画像AI診断補助システムを開発し、大学病院を拠点とした2次救急病院への医療AIシステムの実装方法を確立する。本AIシステム開発研究は最終的に医療過疎が進む地域医療を対象とした医療負担の軽減を目指している。深層学習専用パソコン(医療用画像2048x2024ピクセルの病理画像10万枚以上を並列処理可能なPC)としてDeepLearning BOXⅡ Win((株)GDEP ADVANCE uniVオーダーメイド)を長崎大学病院消化器内科に設置し本研究の解析を開始した。データ閲覧用のPCとしてノートPC HP EliteBook630 G9を設置した。腹部の各々の臓器についての場所をアノテーションできるセグメンテーションモデルの実装をまず行なった。救急疾患毎のモデルについて現在症例情報の収集、開発を進めている。また、腹部疾患のうち、肝細胞癌の画像診断モデル(YOLO)を使用した肝細胞癌予後予測システムを開発し肝臓関連の学会(日本肝臓総会6月、欧州肝臓学会EASL CONGRESS Vienna Austria 2023年6月)にて採択され、発表予定である。その他の腹部疾患についてもデータ収集を行なっており、2次救急病院への実装方法について模索中である。また、本研究のプロセスで2次救急病院現場の栄養サポートチームとのやりとりの中でレントゲンおよびCT画像からのAIを用いた栄養状態予測やサルコペニア予測が高齢者救急に必要であることが判明した。現在高齢者救急医療現場に必要な医療画像AIモデルを構築中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
深層学習専用パソコン(医療用画像2048x2024ピクセルの病理画像10万枚以上を並列処理可能なPC)としてDeepLearning BOXⅡ Win((株)GDEP ADVANCE uniVオーダーメイド)を長崎大学病院消化器内科に設置し本研究の解析を開始した。消化器疾患毎の深層学習診断モデルを開発を行っている。腹部疾患のうち、肝細胞癌の画像診断モデル(YOLO)を使用した肝細胞癌予後予測システムを開発しScientific Reportに報告した。(2024/1/18 Accept)
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今後の研究の推進方策 |
肝細胞癌のモデルについて開発が進行しScientific Reportに報告を行った。その他の癌や救急疾患についてもデータ収集、開発を進める必要がある。また、臨床現場への実装方法を模索中である。本研究のプロセスで2次救急病院現場の栄養サポートチームとのやりとりの中でレントゲンおよびCT画像からのAIを用いた栄養状態予測やサルコペニア予測が高齢者救急に必要であることが判明した。現在高齢者救急医療現場に必要な医療画像AIモデルを構築中である。
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