研究課題/領域番号 |
22K18024
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大畑 祥 名古屋大学, 高等研究院(宇宙), 助教 (70796250)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | エアロゾル / 氷晶核 / 鉱物ダスト / 黒色炭素 / バイオエアロゾル |
研究開始時の研究の概要 |
大気中の鉱物ダストと生物起源粒子は、氷の雲粒(氷晶)を生成する核(氷晶核)として重要な働きをすると考えられているものの、測定の難しさから、大気中の数濃度の変動と氷晶核数への寄与の理解は不十分である。本研究では、近年開発された光学的粒子検出技術をフィルタに捕集した大気エアロゾルの分析に応用することで、これらの粒子の数濃度を測定する手法を確立する。この手法を用いて都市大気と森林大気のエアロゾルを分析し、二つの代表的な大気環境下における鉱物ダストと生物起源粒子の動態と氷晶核数への寄与を定量的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
鉱物ダストや黒色炭素(BC)などの非水溶性エアロゾル粒子(WIAPs)は、放射や雲との相互作用を通じて気候に影響を及ぼしている。しかし、大気中のWIAPsの種別を特定し、その数濃度を定量化する手法は限られており、これらの動態の理解は不十分である。本研究では、大気中のエアロゾルをフィルタに採取し、水中に分散させ、個々の粒子の複素散乱振幅を測定する新しい光学的手法により、WIAPsの分類と数濃度定量を試みた。複素散乱振幅は、粒子の複素屈折率・体積・形状に依存する複素数のパラメータである。2021年春季に名古屋の都市大気で採取されたWIAPsの複素散乱振幅を測定し、その特徴に基づいてWIAPsをダスト様粒子・BC様粒子・バイオエアロゾル様粒子に分類した。BC様粒子の数濃度は他の測定器により独立に測定されたBC数濃度と強く相関した。また、観測期間中の主要なWIAPsはダスト様粒子とBC様粒子であり、電子顕微鏡分析とも整合的なデータが得られた。これらの結果は、本手法がWIAPsの時空間分布を定量する新しい手法として、様々な大気環境での観測に応用できる可能性を示すものである。本結果をまとめ、査読付き国際誌に投稿した。また、都市大気におけるバイオエアロゾルの動態を理解するため、東京スカイツリーにおいて蛍光性エアロゾルの長期観測を実施し、初期的な解析結果を得た。今後、バイオエアロゾル数濃度の季節変化と氷晶核数濃度への寄与を明らかにするためのデータ解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、非水溶性エアロゾルの分析手法の評価を進めることができ、査読付き国際誌の投稿に至った。また、当初の計画にはなかったが、都市大気における蛍光性エアロゾルの長期観測も実施することができた。以上のことから、本研究は順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本手法で測定された名古屋都市大気の非水溶性エアロゾルと氷晶核粒子の数濃度の関係を定量的に明らかにするための解析を進める。また、東京の都市大気で長期観測した蛍光性エアロゾルのデータ解析を進め、バイオエアロゾルの数濃度の季節変化を明らかにする。さらに、北極域において蛍光性エアロゾルの観測を行う。
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