研究課題/領域番号 |
22K18045
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 (2023) 東洋大学 (2022) |
研究代表者 |
李 沁潼 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (80821727)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 湖沼メタン循環 / メタン循環 / 富栄養化湖沼 / メタン酸化 / メタン生成 / 脱窒 / 富栄養化 |
研究開始時の研究の概要 |
窒素の過剰負荷に起因する水圏の富栄養化問題、CO2やメタンなど温暖化ガスの放出に伴う気候変動問題は、世界中で最も深刻な環境問題の一つである。近年の研究から、水圏環境の嫌気層や低酸素層に分布するメタン酸化菌は脱窒反応を共役しているという新たな生態学的役割を持つことが示唆された。しかし、水圏環境中のメタン酸化細菌がどの程度脱窒反応に寄与しているかは未解明のままである。本研究は富栄養湖である霞ケ浦の湖底境界層を対象に、嫌気性あるいは好気性のメタン酸化菌の分布特性と代謝機能の把握に着目し、環境中のメタン酸化菌は群集としてどのように脱窒に関与しているかを明らかにすることを目的に実施する。
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研究実績の概要 |
メタンは二酸化炭素の次に重要な温室効果ガスである。淡水環境はメタンの重要な放出源として全放出量の約18.6%を寄与していると見積もられている。その中、浅い富栄養湖は、一次生産由来の有機物はメタン生成の基質になることからメタンのホットスポットとされてる。湖沼内の湖水-堆積物境界層に行われている好気または嫌気的メタン酸化過程は、大気中へのメタン放出量を制御するための重要な過程である。本研究は、富栄養化が進行している浅い淡水湖沼を対象に、堆積物中のメタン濃度の鉛直分布を長期的なモニタリングを行うと共に、湖水-堆積物境界層のメタン酸化活性及びメタン酸化に関わる微生物の分布特性を評価した。 今年度は、昨年度の実験内容に加え、湖底境界層試料(底層水及び堆積物)を用いてメタン酸化活性を無処理及び窒素曝気処理の2系列で測定した。その結果、無処理培養において酸化活性は6月に最大、10月に最小となったことに対し、窒素曝気処理培養の酸化活性は6月に低く、秋季から冬季にかけて高くなる結果となり、溶存酸素の有無によって異なる季節特性が示された。また、秋季と冬季において、窒素曝気処理系のメタン酸化活性は無処理系を上回り、酸素以外の電子受容体を依存した嫌気的メタン酸化が高いポテンシャルを示した。 また、メタン酸化に関わる各種微生物群の定量結果から、好気性メタン酸化細菌が調査期間を通して圧倒的な優勢を示したものの、嫌気性メタン酸化細菌は秋冬において顕著な増加が確認された。今年度の研究結果から、各種電子受容体の濃度変動によって嫌気性メタン酸化も湖沼内のメタン削減に一定程度寄与していると示唆されたが、今後は継続的に観測しその寄与率の影響要因を解明していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は計4回の霞ケ浦調査(季節に1回)を実施し、湖水中及び底泥中の水質プロフィル、メタン濃度の鉛直分布、及び底泥中の各種メタン酸化・メタン生成微生物の存在量を把握することに加え、昨年度で確立(最適化された)メタン酸化活性の測定が順調にでき、様々な電子受容体濃度(もしくは有無)に依存した嫌気メタン酸化活性の季節変化を把握できた。また、酸素枯渇条件での嫌気メタン酸化と様々な電子受容体との関連性については今後の課題として培養実験を追加し考察していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
嫌気性メタン酸化活性の培養実験を行った際に、酸素枯渇条件では硝酸イオンの存在(または濃度)がメタンの消費に影響を与えている可能性が示唆されたため、来年度は硝酸イオンを電子受容体として添加した培養実験を追加し、嫌気性メタン酸化との関連性について検証していく予定である。
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