研究課題/領域番号 |
22K18060
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
|
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
西嶋 大輔 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (00827959)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | サーキュラーエコノミー / 修理サービス / 耐久消費財 / 持続可能性 / 仮想評価法 / 製品ストックフロー / サーキュラー・エコノミー / 製品寿命 / 修理 |
研究開始時の研究の概要 |
製品の長期使用の促進は、サーキュラー・エコノミーで重要な施策として示されており、その促進に向けた経済システムや環境影響評価について研究が進んでいる。一方でその促進に際しては、それを支える産業や企業の経済的な持続可能性も考慮する必要があるが、これまでの研究ではそうした分析は十分に行われていない。 そこで、本研究では修理サービスを対象に、環境経済学と産業連関分析の手法を応用し、消費者の需要も考慮したうえで、修理サービスによる長期使用促進の経済システムが経済と環境に与える影響について定量的に示す。また、長期使用促進の経済システムをどのように、そしてどの程度発展していけばよいかについての指針を示す。
|
研究実績の概要 |
今年度は、仮想評価法を用いて修理サービスによって延長される製品寿命の年数に応じた修理サービスに対する支払い意思額を推定するための、アンケート調査を実際に行った。はじめに、前年度での調査票作成に関する検討を基に調査票の修正を行ったうえで、その調査票が回答のしやすさも含めて適切なものか確認をするため、本番の調査を実施する前にプレテストを行った。プレテストでの回答状況や回答者からの意見を基に、修理費用の金額の水準の調整、有意でなかった質問項目の削除、分かりやすさの向上のための質問文の修正などを行った。その修正版の質問票を基に、エアコンと冷蔵庫について本番の調査を行った。本番の調査では、エアコンと冷蔵庫の両方について、想定したサンプルサイズを十分に得ることができた。 単純集計した結果を見ると、全体として修理にかかる金額が大きくなるほど修理が選択される割合は小さくなる傾向にあり、合理性のある結果が得られている。修理が選択される割合を比較すると、同じ条件であっても冷蔵庫よりもエアコンのほうが修理が選択される割合が高い傾向にあることが見て取れた。また、エアコンと冷蔵庫ともに、修理によって延長される年数が長いほうが修理が選択される割合が全体として高いものの、冷蔵庫に比べてエアコンのほうがその割合の増加の程度が大きいことが見て取れた。これらの結果からは、修理サービスの推進を考えるうえでは、冷蔵庫よりもエアコンのほうが効果的であることが示唆される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本番の調査も含め、アンケート調査の実施と回答データの集計を完了することができた。また回答結果の分析についても、単純な集計結果を基にした簡易的な分析ではあるものの、結果の妥当性の確認や全体の傾向に関する分析も行うことはできた。以上から、今年度実施すべき内容については完了できていると考えたため、上記の進捗状況と評価した。 今後については、回答結果に関する詳細な分析と、修理サービスの経済・環境面における持続可能性評価を行うための分析フレームワークの構築に着手する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、まずアンケート調査で得られた回答データを基に、延長される使用年数や製品の違いによる修理サービスの選択確率や支払意思額の差異について、統計的な観点も踏まえて分析する。また修理サービスの選択確率や支払意思額の上昇に寄与しうる要素についても議論する。 また、従来の製品のストックフローの推計モデルに、上記の修理サービスの選択確率の結果を適用し、修理サービスによる使用期間の延長年数と修理金額に応じた、修理サービスの経済面と環境面における評価を行うためのモデル構築を進めていく。
|