研究課題/領域番号 |
22K18062
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松永 正広 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (10850125)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 環境発電 / 摩擦帯電 |
研究開始時の研究の概要 |
摩擦帯電型エネルギーハーベスター(TENG)は人の動作などの低周波の運動から発電することが可能であり、自己給電型ウェアラブルデバイスの電源として相性が良い。高い柔軟性と伸縮性を有するTENGは、ウェアラブルデバイスの課題である電源の問題に解決の糸口を与えられるが、出力の更なる向上と内部インピーダンス低減が喫緊の課題である。本研究では、柔軟性や伸縮性を損なうことなく、発電能力の大幅な改善と内部インピーダンスの低減を目的とする。
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研究実績の概要 |
IoT(モノのインターネット)社会の発展とともに、急増するセンサデバイスの需要に対し、センサデバイスを駆動する電源が重要な課題となっている。電源代替あるいは電池の長寿命化のための技術の一つとしてエネルギーハーベスティングが期待されている。摩擦帯電型ナノ発電機はエネルギーハーベスティングの一種であり、人体動作のようなランダムかつ低周波の振動に対して発電可能である。本研究では、摩擦帯電型ナノ発電機のウェアラブルデバイス分野への応用に向け、出力特性や耐久性などのデバイス特性の改善を目的としている。 本年度は、電気陰性度が高く、負に帯電する傾向が強いことが知られているフッ素ポリマーを用いることで摩擦帯電型ナノ発電機のデバイス特性の改善を試みた。フッ素ポリマーを用いない従来型デバイスと比較し、およそ2.3倍となる出力の改善結果が得られ、これまでに単位面積あたり20Wを超える最大出力密度を得ている。 従来は摩擦帯電型ナノ発電機の接触面に対し、負もしくは正の帯電傾向を強くするような表面修飾を行い出力の改善を試みてきたが、加振により徐々に表面修飾の効果が薄れ耐久性の面が課題となっていた。今回は表面修飾ではなく誘電体層自体に着目しフッ素ポリマーを選択したため、少なくとも一万回加振後も出力電圧の明らかな減少は見られなかった。また、機械的特性を評価し、ウェアラブルデバイス応用に必要とされる伸縮性を維持していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画と前後する部分もあるが、現在までに摩擦帯電型ナノ発電機の誘電体層にフッ素ポリマーを用いることで、従来の光学的透過性や柔軟性を維持しつつ、出力電圧の向上と耐久性の改善を確認しており、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き摩擦帯電型ナノ発電機の出力特性の改善に取り組む。またナノカーボン材料などの低次元材料を電荷蓄積層として用いることによる出力特性への影響について検証を進める予定である。
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