研究課題/領域番号 |
22K18093
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
尾上 智子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (80734772)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 聞き取り調査 / 学術交流 / 地域貢献 / 聞きとり調査 / 参与観察 / 東南アジア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究が関心を寄せるのは、日本人と結婚し、同じ地域に暮らす同国人の励ましが得られ難いような瀬戸内の在郷で長年、暮らし続けてきたフィリピン人結婚移民の人々である。本研究では、2022年度~2025年度の4年間に亘って、彼らに対する詳細な聞き取り調査を実施し、彼らの生活や保健行動の実態を明らかにする。母国の伝統・民俗医療と近代医療の要素が錯綜する彼らの保健行動を当事者の視点から捉え、背後に潜在する「彼らの論理」を掴もうとする本研究は、これからの我が国の多文化社会に対応できる、より適切な保健指導やケアの実現の一助となることが予期される。
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研究実績の概要 |
令和5年度の研究成果は次の4つである。①愛媛県内のフィリピン人結婚移民の人々との関係の構築、②フィリピン人結婚移民の人々への聞き取り調査の実施、③移民研究者や人類学者との学術交流・面談、④調査で得られたデータを活用した医療者向けセミナーの実施。 ①については、愛媛県に長年に亘って居住しておられるフィリピン人結婚移民の方々にコンタクトをとり、交流を図った。知り合った方々から、さらに別のフィリピン人結婚移民の方々をご紹介いただき、ネットワークの拡大を図った。 ①により交流を深めている人々に対して、聞きとり調査を実施した。令和5年度は、家族構成・経歴等を含むライフヒストリー、日本における生活経験に加えて、日本での保健行動ついても聞きとりを行った。 ①および②を遂行する傍ら、移民研究者や人類学者との学術交流の機会も得ることができた。地方部の移民を対象に研究をされている移民研究者の研究会や公開講座へ出席したり、人類学の研究者と面談を行うことにより、隣接テーマの研究を行う研究者より、貴重な情報や助言を得ることができた。次年度も研究調査を継続しながら、適宜、移民研究者や人類学者との面談を行い、調査や分析における助言をいただく予定である。 ④は愛媛県内の医療従事者を対象に企画・運営した地域貢献事業である。①②によって得られたデータ(フィリピン人結婚移民の日本における生活経験など)を活用しながら、愛媛県内の医療従事者を対象に医療コミュニケーション・セミナーを開催した。言葉の問題に留まらず、文化的背景も考慮に入れながら、医療現場における医療従事者と外国人患者・住民の方々とのコミュニケーションのあり方を考える機会とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度も、インフォーマントになっていただけるフィリピン人結婚移民の方々とコンタクトを取り、聞きとり調査を進めた。しかし、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの流行により、アポイントメントをキャンセルしたり、聞きとり調査の時期を検討しなければならず、聞きとり調査を進めることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度と令和5年度に交流が始まったフィリピン人結婚移民の方々からの紹介により、次年度も愛媛県内各地のフィリピン人結婚移民の方々に聞きとり調査を実施 する。次年度は、これまでに訪問できていない地域に暮らすフィリピン人結婚移民とつながり、聞きとり調査への協力を依頼する予定である。 また、すでに聞きとり調査を行っている方々とも継続的に交流し、交友を深めるとともに、本研究課題の中心的な項目(日本における保健行動)に関する聞きとりを行う。
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