研究課題/領域番号 |
22K18102
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
張 慶在 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50782140)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 軍港都市 / 観光化 / 大衆文化 / 戦争記憶 / 断絶 / 連続 / 観光 / コンテンツ / 観光地化 / コンテンツツーリズム / ダークツーリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、東アジアの国や地域において(旧)軍港都市の観光地化が進められるプロセスについて、どのような社会・政治・文化の文脈が絡み合っているのかを明らかにする。具体的には、鎮守府が置かれ現在日本遺産となっている日本の旧軍港4都市(横須賀、舞鶴、呉、佐世保)、日本時代に開発され現在韓国海軍の母港となっている韓国の鎮海、日本時代から現在まで台湾海軍の中心となっている台湾の高雄において、軍港という表象が社会・文化・政治の文脈と如何に絡み合い、特に2000年代以降の地域の観光振興(観光地化)と如何に関連しているかについて分析・考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、東アジアの軍港都市が、戦争記憶の断絶と連続のなかでどのようなプロセスを経て観光地化されるているのかを明らかにした。広島県呉市、台湾高雄市、韓国鎮海市(現、昌原市)の3つの軍港都市を対象とするフィールド調査から、戦後のナショナリズム、地政学的要因、また最近では少子高齢化による観光政策など様々な社会的・政治的要因が、ナショナルとローカルな戦争記憶の継承とのせめぎあいの中で、それぞれの地域における独特な観光地化が行われていることが明らかになった。さらに、そのプロセスの中で、大衆文化が重要な役割をしていることも明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、戦争記憶が、国家レベルのみならず、ローカルレベルの集合的記憶によって特徴的に形成され、さらにそれが行政の観光振興政策、住民の地域づくりの中に如何に反映され観光地作りに寄与しているかについて、国際比較研究を行った。それによって観光学分野、特に文化遺産観光、ダークツーリズムの研究に新たな知見を提供することに寄与した。 また、社会的意義としては、戦後80年を迎える今において、東アジアで戦争を如何に記憶し、その戦争記憶をどのように継承しさらに観光振興に活用するかについて喚起させることができた。
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