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人口減少地域における巡礼ツーリズムの高まりによる霊場空間の再編に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K18108
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分80020:観光学関連
研究機関名桜大学

研究代表者

卯田 卓矢  名桜大学, 国際学部, 上級准教授 (20780159)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード巡礼 / ツーリズム / 人口減少 / 札所 / 文化遺産 / 観光資源化 / 観光地理学 / 霊場 / 御朱印 / 運営
研究開始時の研究の概要

本研究は人口減少地域において近年復興あるいは創出された巡礼地を対象に、巡礼ツーリズムの高まりによる「霊場空間」の再編を明らかにする。具体的には、①諸アクターが巡礼の観光資源化をどのように認識しているのか、とくに札所によって認識に差異はないのか、あればその理由は何か、②「限られたヒトやモノ」のなかで人びとがどのように連携・協力しているのか、③巡礼の観光資源化によって既存の仕組み(札所の維持・管理体制、霊場会の活動、札所と地域住民の関わりなど)がどのように変化したのか、を解明する。また、「霊場空間」という視点から人口減少地域における広域的観光資源のあり方を導き出す。

研究実績の概要

本研究の目的は人口減少地域において復興あるいは創出された巡礼地を対象に、巡礼ツーリズムの高まりによる「霊場空間」の再編を明らかにすることである。本年度は、(1)戦後の巡礼の歴史的展開を地方巡礼地の開設と出版社の関係から分析する、(2)人口減少地域における巡礼地を対象にモノやヒトが限られていく中での巡礼地の存続のあり方を検討する、(3)観光振興および文化遺産の継承を目的とした「巡り」の成立過程と地域の再編を分析することを目的とした。
本年度の研究について、(1)では新たに収集した図書の精読や関係者への聞き取りから、地方巡礼地創設に関わる「仕掛け人」とそれをガイドブックの刊行という点から支えた出版社の動向を戦後の巡礼ブームをふまえ明らかにすることができた。(2)では山形県の巡礼地を対象に、関係者への聞き取りや景観観察、資料収集等を実施した。山形県は人口減少が顕著で、巡礼者数も減少傾向にある。また、札所管理者はその多くが後継者不足、脆弱な生活基盤などの課題や不安を抱えていた。一方、県は近年「精神文化」としての巡礼地を強調する取り組み(観光振興策)を開始しており、巡礼地側は期待と不安が交錯する状況であることがわかった。(3)では人口減少にともない集落管理が困難になった文化遺産(美術工芸品)の継承を目的に「公開」および観光振興を進めている地域を対象に現地調査を実施した。その結果、住民の中には公開によって来訪者と交流が生まれ、文化遺産の継承に自覚的となる者がいる一方で、管理の負担自体は軽減されないと感じる者もおり、文化遺産継承の複雑な現状を理解することができた。
以上の成果のうち、(1)は所属大学の紀要に投稿した。(2)(3)は調査結果をまとめ、次年度に論考を発表する予定である。また、日本の宗教の現状および地域差を視野に入れた授業開発に関わる論考を執筆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究活動がおおむね順調に進展している理由は、上記の(1)(2)(3)の資料収集と現地調査が順調かつ効率的に進み、資料整理や論文構想に費やす時間が確保できたことによる。

今後の研究の推進方策

次年度はこれまでの研究活動の成果を論文としてまとめるとともに、本年度に新たに実施した地域の追加調査を行い、現状の理解をさらに深めたい。また、そのうえで本研究の目的である人口減少地域における巡礼地とツーリズムとの関係、それによる再編の特徴を明らかにしたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「宗教文化の地域差」の理解に資する地理教育とその評価-「初詣と地域」の関係に着目した授業実践を通して-2023

    • 著者名/発表者名
      卯田卓矢
    • 雑誌名

      名桜大学教員養成支援センター年報

      巻: 9 ページ: 63-80

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 熊本県人吉球磨地方における巡礼行事の観光資源化とその影響―担い手の高齢化と札所環境に注目して―2022

    • 著者名/発表者名
      卯田卓矢
    • 学会等名
      2022年 人文地理学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 地理学事典(宗教の地理学)2023

    • 著者名/発表者名
      日本地理学会編
    • 総ページ数
      844
    • 出版者
      丸善
    • ISBN
      9784621307939
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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