研究課題/領域番号 |
22K18113
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
大島 安奈 大阪商業大学, 公共学部, 准教授 (60863412)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | トラベルヘルパー / 旅行介助 / 外出支援 / ユニバーサルツーリズム / 就業動機 / やりがい / キャリア / ホスピタリティ / アクセシブルツーリズム / 介護旅行 / 介護職従事者 / インタビュー調査 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、人権問題や高齢社会の進展による障害のある人の増加等を背景に、誰もが観光できる社会の実現に対するニーズが増している。しかし、現状は物理的・心理的・経済的バリアが起因し、誰もが観光を楽しめる環境が整っているとは言えない。そこで、本研究は旅行介助の担い手であるトラベルヘルパーに焦点を当て、トラベルヘルパーの就業動機とやりがいを中心に探索的調査を行うことで、誘因要因を検討し、トラベルヘルパーの普及に向けた課題や今後の提言を示すことを目的としている。
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研究実績の概要 |
研究2年目となる本年度は、前年度実施した文献調査と予備的考察をもとにしたインタビューガイドに基づき、インタビュー調査を進めた。まず初めに、本研究の対象であるトラベルヘルパー(旅行介助の担い手)の育成・活動支援事業を担う特定非営利法人日本トラベルヘルパー協会の会長へ事業開始の経緯や事業内容に関してヒアリングを行った。そのうえで、同協会から調査対象とするトラベルヘルパー15名を紹介頂き、順次インタビュー調査を進めている。調査対象となるトラベルヘルパーは、多様な事例を確保できるよう協力を依頼しており、本年度は40代男性1名、60代女性2名に対してインタビューを終えている。 現時点の調査過程において言えることは、調査した3名のトラベルへルパーは共通して、ホスピタリティ精神が高いということである。「人に喜んでもらいたい」という気持ちが強く、介護職や旅行業界におけるキャリアから得た経験や、各自の強みを活かし、顧客との対話の中で各人が創意工夫しながらトラベルヘルパーとして活動していることが、インタビューの語りから読み取れる。また、トラベルヘルパーとしての自身の経験を語る際、3名全員が非常に楽しそうに話す姿や、ポジティブな姿勢が印象的であった。 次年度も引き続き、インタビュー調査と分析を進め、トラベルヘルパーの就業動機ややりがいを中心としたキャリアを探索的に明らかにすることで、誘因要因を検討し、ユニバーサルツーリズムの推進において重要な役割を担う旅行介助の担い手の普及に資する研究成果が得られるよう努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に先行・併行して実施している研究課題を進める中で、高齢者施設に勤める介護職従事者と、旅行介助を担うトラベルヘルパーの就業観等に大きな違いが見られたため、本研究を進めるうえで、比較対象とすることが有益であると考えられた。したがって、先行研究課題の成果が本研究課題の比較対象となる事例であること、及び研究最終年度であったことから、先行研究課題を優先して取り組むこととなり、インタビュー対象者との日程調整・調査開始時期に遅れが生じた。先行研究課題である高齢者施設におけるレクリエーションに関する調査結果については、ユニバーサルツーリズムの推進に向けた本研究成果を包括的に考察するうえで、また、本研究対象であるトラベルヘルパーとの比較対象として、有益な知見になると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は前半(4月~8月)に、トラベルヘルパーを対象としたインタビュー調査を終えるとともに、インタビュー逐語録の質的分析を並行して進め、トラベルヘルパーの普及・誘因要因を明らかにする。後半(9月~)はユニバーサルツーリズム推進の視点から、調査・分析結果をまとめ、考察する。研究成果については、研究発表(10月あるいは12月)及び、研究論文としてまとめ、学会誌への投稿を行う。
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