研究課題/領域番号 |
22K18146
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
猪股 圭佑 武庫川女子大学, 建築学部, 准教授 (00634859)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | シチリア / ノルマン / ビザンティン / ローマ / ドーム / 壁画 / 建築 |
研究開始時の研究の概要 |
「建築と壁画がどのような意図で計画されたのか」が本研究の問いである。本応募研究課題では12世紀シチリアのノルマン聖堂建築における実地調査を行って、壁画の主題及び配置による空間構成を分析し、その特徴を明らかにする。壁画を含めた空間全体を図式化して空間の意味を解釈し、壁画の配置によってどのように神聖な宗教的空間が創造されたかを知り、ノルマン聖堂建築における建築と壁画の統合的理解を試みる。
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研究実績の概要 |
本応募研究課題は壁画を残す12世紀シチリアのノルマン聖堂建築、すなわちカッペッラ・パラティーナ、ラ・マルトラーナ聖堂、チェファルー大聖堂、モンレアーレ大聖堂における実地調査を行って、壁画の主題及び配置による空間構成を分析し、その特徴を明らかにするものである。 2023年度は、12世紀シチリアの壁画が描かれたノルマン聖堂建築、すなわちカッペッラ・パラティーナ、ラ・マルトラーナ聖堂、チェファルー大聖堂、モンレアーレ大聖堂において2022年度に行った実地調査をふまえて「12世紀シチリアのノルマン聖堂建築における空間構成について」(2023年9月, 日本建築学会大会学術講演梗概集F-2, pp.201~202)として日本建築学会大会で発表した。 本発表ではカッペッラ・パラティーナ、ラ・マルトラーナ聖堂、チェファルー大聖堂、モンレアーレ大聖堂における壁画の主題及び配置による空間構成を分析し、その特徴を明らかにすることを目的として、個々の聖堂建築の分析に先立ち、これら4聖堂の建築形式や主な壁画の主題と配置などの特徴を整理した。12世紀シチリアのノルマン聖堂建築では内陣を中心とする限定された範囲に壁画が描かれているが、それはビザンティンにおける壁画の配置によって重要な教義を表現する3次元の宗教的空間というよりも、ローマにあった初期キリスト教時代以来のバシリカ式を基本としながら、ビザンティンとイスラムの要素を装飾として取り入れたノルマン王朝の権威を強調する空間といえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に行った実地調査をふまえてカッペッラ・パラティーナ、ラ・マルトラーナ聖堂、チェファルー大聖堂、モンレアーレ大聖堂における建築形式や主な壁画の主題と配置などの特徴を整理した結果を日本建築学会大会で発表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
実地調査で撮影した画像データを用い、写真測量ソフトにより聖堂内部の3次元モデルを生成する。これを編集して断面展開図、天井見上図及びアイソメトリック図を作成し、壁画の主題と配置の分析、壁画の配置による空間構成の分析を行う。これらを3次元モデル上で確認しながら建築的空間の意味の解釈を行い、壁画の配置によってどのように神聖な宗教的空間が創造されたかを知り、空間構成の特徴を明らかにする。
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