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巨核球成熟における一次絨毛由来小胞の生理機能解明および生体外血小板製造への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K18169
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分90110:生体医工学関連
研究機関京都大学

研究代表者

中村 壮  京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (50769833)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2022年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード巨核球成熟 / カリウムイオン / 血小板 / cilia小胞 / 巨核球細胞株
研究開始時の研究の概要

細胞の外部刺激を様々な受容体で感知する一次絨毛(cilia)は、先端が切り出されcilia小胞として細胞外へ放出することが知られているが、哺乳類細胞においてcilia小胞の生理活性は十分に理解されていない。一方、申請者らは、少子高齢化に伴う血液製剤の供給不足解消に向け、iPS細胞から巨核球細胞株を作製し、生体内の血小板造血観察に基づいた乱流刺激による生体外血小板製造培養法を開発した。本研究では、乱流刺激によって放出されるcilia小胞内の生理活性物質による巨核球成熟メカニズムを究明し、巨核球分化過程で観察される成熟不均一性の本態を解明する。

研究実績の概要

細胞の外部刺激を様々な受容体で感知する一次絨毛(cilia)は、先端が切り出されcilia小胞として細胞外へ放出することが知られているが、哺乳類細胞においてcilia小胞の生理活性は十分に理解されていない。一方、申請者らは、少子高齢化に伴う血液製剤の供給不足解消に向け、iPS細胞から巨核球細胞株(imMKCL)を作製し、生体内の血小板造血観察に基づいた乱流刺激による生体外血小板製造培養法を開発した。本研究では、乱流刺激によって放出されるcilia小胞内の生理活性物質による巨核球成熟メカニズムを究明し、巨核球分化過程で観察される成熟不均一性の本態を解明する。本年度は、imMKCLにおけるcillia局在の可否について検討を行った。ciliaマーカーであるacetyl-α-tubulinとARL13bの局在を免疫染色法で調べたところ、静置、振盪培養共にimMKCL細胞表面突起部のacetyl-α-tubulin上にARL13bが観察されなかった。また、ciliaメカノセンサー生理機能の一つである細胞内カルシウム流入を振盪培養条件下で調べたところ、せん断応力依存的なカルシウム流入は観察されなかった。最後に、静置培養下でのimMKCL成熟期を透過型電子顕微鏡で詳細に観察したところ、従来型のcilia構造と異なる絨毛突起が観察された。以上の結果から、imMKCLの乱流刺激応答はcilia非依存的な経路が存在することが示唆された。そこで、乱流環境下のせん断応力で応答するメカノイオンチャネルに着目し、imMKCLにおける乱流環境下でのimMKCLの細胞内外における陽イオン勾配を調べたところ、静置培養と比べ乱流環境下のimMKCL成熟期では、細胞外へのK+イオンの放出が抑制されていることが示唆された。以上の結果より、高効率な血小板産生にはK+イオンの放出量が重要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初着目していたcilia構造が、従来型のcilia構造と異なる絨毛突起であることが示唆され、cilia非依存的な経路を探索したためやや遅れている。
乱流環境下のimMKCL成熟期において細胞外へのK+イオンの放出が抑制されていることを見出したため、今後は乱流環境下でのK+イオンチャネル経路に着目し研究を遂行する。

今後の研究の推進方策

K+イオンチャネル阻害剤を用いて血小板産生数を計測する。
imMKCL成熟期での振盪・静置培養条件下でのRNA seq解析を通じて、K+イオンチャネルの発現を比較し、血小板産生に重要なK+イオンチャネルをスクリーニングする。
候補遺伝子を過剰発現もしくは発現制御をしたimMKCLを作製し、細胞内のK+イオンの動態観察や血小板産生能を比較し、血小板産生に重要なK+イオンチャネルを同定する。

報告書

(1件)
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] “iPS細胞由来血小板製剤の開発”2023

    • 著者名/発表者名
      中村壮、江藤浩之
    • 雑誌名

      検査と技術

      巻: 51 ページ: 44-47

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] iPLAT1: the first-in-human clinical trial of iPSC-derived platelets as a phase 1 autologous transfusion study2022

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto N, Nakamura S, Shimizu S, Shigemasa A, Kanda J, Matsuyama N, Tanaka M, Hayashi T, Fuchizaki A, Nogawa M, Watanabe N, Okamoto S, Handa M, Sawaguchi A, Momose D, Koh KR, Tani Y, Takaori-Kondo A, Eto K
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 140 号: 22 ページ: 2398-2402

    • DOI

      10.1182/blood.2022017296

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Production and nonclinical evaluation of an autologous iPSC?derived platelet product for the iPLAT1 clinical trial2022

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto Naoshi、Nakamura Sou、Shimizu Shin、Shigemasa Akiko、Kanda Junya、Matsuyama Nobuki、Tanaka Mitsunobu、Hayashi Tomoya、Fuchizaki Akihiro、Nogawa Masayuki、Watanabe Naohide、Okamoto Shinichiro、Handa Makoto、Sawaguchi Akira、Momose Dai、Koh Ki-Ryang、Tani Yoshihiko、Takaori-Kondo Akifumi、Eto Koji
    • 雑誌名

      Blood Advances

      巻: 6 号: 23 ページ: 6056-6069

    • DOI

      10.1182/bloodadvances.2022008512

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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