研究課題/領域番号 |
22K18171
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
光家 努 香川大学, 医学部附属病院, 技術職員 (30937967)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 早産 / デキサメタゾン / 吸入 / 加湿 / 呼吸器 / 超早産児 / デキサメタゾン吸入療法 / 呼吸器管理 |
研究開始時の研究の概要 |
超早産児の生存率が上昇しているが、それに伴い重篤な合併症である慢性肺疾患(CLD)の患者数が増加しており、その予防や治療の確立は新生児医療にとって喫緊の課題である。CLDの予防や治療として当院ではデキサメタゾン吸入療法を行っているが、デキサメタゾン全身投与は中枢神経予後を悪化させると報告があり注意が必要である。現在、吸入ネブライザーによってどれだけのデキサメタゾンが児に届いているかは明らかでなく、日本では使用を敬遠されている。今回の目的は、吸入療法で児に実際届くと考えられるデキサメタゾンの量を明らかにし、最適な薬用量や機器設定を考案することである。
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研究実績の概要 |
早産児の生存率が上昇しているが、それに伴い重篤な合併症である慢性肺疾患(CLD)の患者数が増加しており、その予防や治療の確立は新生児医療にとって喫緊の課題である。CLDの予防や治療として当院ではデキサメタゾン吸入療法を行っているが、デキサメタゾンの全身投与は中枢神経予後を悪化させるとの報告があるため、注意が必要である。現在、吸入ネブライザーによってどれだけのデキサメタゾンが児に届いているかは明らかではなく、日本では使用が敬遠されている。本研究の目的は、吸入療法で児に実際に届くと考えられるデキサメタゾンの量を明らかにし、最適な薬用量や機器設定を考案することである。 今年度HPLCでのデキサメタゾン測定法を確立した。実際にデキサメタゾン吸入療法を行っている児において、使用後の呼吸器回路内に残るデキサメタゾンの量を測定したが、吸入機器にはデキサメタゾンがある程度残留しているものの、呼吸器回路内にはほとんどデキサメタゾンは検出されなかった。そこで、呼吸器回路内ではなく、呼吸器から大気中に放出されている可能性を考え、呼気フィルターでトラップしたデキサメタゾンを測定することを想定した。まずは、クベース内の器内湿度を一定に保ちつつ、実際の状況に近い環境で呼吸器を稼働させ、呼気フィルターの有無や各メーカーの違いによるコントロール群の抵抗値の評価測定を行い、1回の吸入後に抵抗が強くならないことを確認した。 来年度以降は、複数回同様の実験を重ねて、付着した全体の量の平均やそのばらつきを把握し、以下のそれぞれの状況下で測定する。人工呼吸器設定は、FiO2 0.21、PIP 20cmH2O、PEEP 4cmH2O、Ti 0.6秒を固定設定として図5のような回路を使用し、挿管チューブの内腔径、呼吸回数、薬液量、吸入ネブライザーに入れる生理食塩水の量をそれぞれ変更して実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HPLCでのデキサメタゾン測定法を確立した。実際にデキサメタゾン吸入療法を行っている児において、使用後の呼吸器回路内に残るデキサメタゾンの量を測定したが、吸入機器にはデキサメタゾンがある程度残留しているものの、呼吸器回路内にはほとんどデキサメタゾンは検出されなかった。そこで、呼吸器回路内ではなく、呼吸器から大気中に放出されている可能性を考え、呼気フィルターでトラップしたデキサメタゾンを測定することを想定した。まずは、クベース内の器内湿度一定し実際の現状に近い状態で、呼吸器使用を稼働し、呼気フィルターの有無、各メーカーでの違いのコントール群の抵抗値の評価測定を行い、1回吸入をした後では抵抗が強くならないことを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
複数回同様の実験を繰り返すことで、付着した全体の量の平均やばらつきを把握する予定である。その後以下のそれぞれの状況下で測定する。 人工呼吸器設定は,FiO2 0.21, PIP 20cmH2O, PEEP 4cmH2O, Ti 0.6secを固定設定として図5のような回路を使用し,挿管チューブの内腔径、呼吸回数、薬液量、吸入ネブライザー内に入れる生理食塩水の量、をそれぞれ変更して行う。それぞれのパターンにおいて、最終的に挿管チューブの先に到達するデキサメタゾンの量や、挿管チューブ、回路、呼気フィルターに付着するデキサメタゾンの量に変化があるのかどうかを測定し、実際に児に到達している量を明らかにする。さらに、早産児に安全に、そして確実にネブライザーで拡散されたデキサメタゾンが届く設定について検討する。
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