研究課題/領域番号 |
22K18178
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所) |
研究代表者 |
月田 和人 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所), 睡眠医学研究部, 研究員 (20939368)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 機械学習 / 非専門医 / プロテオミクス / 動作分析 / 脳神経内科 / 運動異常症 / パーキンソン病 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、特に深層学習を中心とした機械学習手法は飛躍的に発展しているが、実際に、脳神経内科医の診療に応用可能な方法論の確立には程遠い。今回、われわれは、機械学習による動作分析こそが、脳神経内科医の「観察」を模倣する、実臨床に応用可能な有望な方法論であると考え、その仮説を検証する目的で研究を行う。その第一歩として、今回の研究では、有病率が高く、「観察」が診療の基盤となるパーキンソン病とその類縁疾患に絞って研究を進める。パーキンソン病では、非専門医と専門医の診療の著明な格差が報告されているが、本技術の確立により、地域間医療格差の是正、予後の改善、介護負担の軽減に役立つと考える。
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研究実績の概要 |
本研究は、脳神経内科非専門医の診療補助となるような技術の確立を、主に動作分析・機械学習の融合から目指している。まずは、動作分析・機械学習、それぞれの方法に関しての方法論の成熟は見通せているものの、予想外に神経変性疾患患者の動作分析におけるパラメーターの多様性に直面し、動作分析と機械学習の融合に関しては、現在なかなか進んでいない。ただ、機械学習技術の有望性は非常に感じることができており、同時並行として、動作分析以外にも機械学習技術を用いた、脳神経内科非専門医の診療補助になりうる技術の確立を行なっている。現在までに、機械学習を用いて、患者と正常対照者の脳脊髄液の4,071個のタンパク質を定量したハイスループットプロテオミクスの公開データに、機械学習を適用し、鉄代謝や免疫反応に関与する14個のタンパク質で表現されるPD特異的な脳脊髄液プロテオームパターンを抽出し、PD-プロテオームスコア(PD-ProS)として定量することに世界に先駆けて成功した。さらに、PD-ProSがPD患者の症状の重症度と相関するのみならず、予後を強力に層別化することも見出し、このPD特異的プロテオミクスパターンは、患者のPD病態の進行程度を良好に反映し、しかも、症状に先行して変化する可能性が強く示唆された(Tsukita et al., Neurology, 2023)。このプロテオームスコアは、パーキンソン病の中で診断のみならず、重症度まで推定してしまう、画期的なスコアであり、類似した結果を報告した方法論はない。本技術は、将来的に、間違いなく脳神経内科非専門医の診療補助に役立つと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動作分析・機械学習、それぞれの方法に関しては、確立しつつあるが、機械学習と動作分析との融合については、未達成である。しかし、機械学習の技術の成熟に伴い、機械学習とプロテオミクス技術を融合した革新的方法の開発ができ、脳神経内科領域の一流紙に掲載することができた。そのため、概ね順調に進展している、と評価している。
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今後の研究の推進方策 |
依然、機械学習と動作分析との、それぞれの技術のさらなる向上を目指し、機械学習と動作分析との融合も目指していく。
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