研究課題/領域番号 |
22K18190
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 滋慶医療科学大学 |
研究代表者 |
島崎 拓則 滋慶医療科学大学, 医療科学部, 准教授 (80833722)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 血液透析 / 内シャント / 狭窄 / 非接触 / 早期検出 / スリル / AVF / 非接触測定 / 血液透析療法 |
研究開始時の研究の概要 |
血液透析療法は、血液を体外に循環させてダイアライザと呼ばれる浄化器により腎臓の機能を代行する治療法である。血液を体外循環させるために、外科手術で作られた内シャントと呼ばれる特殊な血管が広く用いられている。しかし、内シャントは狭窄しやすいため、治療前後に聴診器を用いた聴診法で血流チェックが行われている。この方法は簡便であるが、定性的判定しかできず、取得したデータは共有できない。さらに、聴診器の当て方や測定者によって判断が異なり、聴診器を皮膚にあてるため、接触感染に注意が必要となる。 我々はカメラを用いて非接触かつ非侵襲で内シャントの脈波波形を測定し、定量的評価および狭窄の早期発見をおこなう。
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研究成果の概要 |
SN比で得た定量値による正常内シャントの基準範囲を示す。延べ人数206名を対象とした分布中央95%による正常内シャントの基準範囲は、0.18から2.26となり、平均値は1.19であることが明らかとなった。教師あり機械学習を用いた正常群と狭窄群の二値分類による混同行列では、正常シャントの正答率は92.3%、狭窄シャントの正答率は76.7%、狭窄シャントの誤り率は7.7%、正常シャントの誤り率は23.3%となり、狭窄判定の有効性が示された。穿刺部の輝度を5階調で変換したヒートマッピング技術を用いて、軽度狭窄から重度狭窄までの範囲を可視化する技術を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の血液透析患者は30万人を超え、高齢者では100人に1人である。透析療法には内シャントが必要だが、狭窄が問題である。内シャントの血流確保は重要で、狭窄は合併症や死を招くこともある。現在は聴診法と触診法で状態を確認しているが、非接触で狭窄を早期発見する技術の確立が求められている。内シャントに異常が確認されると、超音波診断で狭窄部位を特定し、薬剤療法や経皮的血管拡張術が行われるため、肉体的精神的負担が大きく生活の質を著しく低下させている。本研究は、非侵襲で狭窄の早期発見と狭窄部位の推定を行うことで、既存の問題解決に寄与する可能性を示した。
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