研究課題/領域番号 |
22K18201
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
李 誠鎬 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (20850001)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 生体活性ガラス / リン酸塩ガラス / ガラス網目構造 / 無機イオン溶出挙動 / 液相法 / 生体材料 / 第5族元素 / 無機イオン / 細胞増殖性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、生体との相互作用を能動的に制御するバイオアダプティブ材料の創出する戦略として、生体内に存在する微量の無機元素(無機イオン)に注目した。特に、無機イオン溶出挙動の幅広い制御が可能なリン酸塩ガラスに焦点を当て、中間酸化物として機能する第5族元素(Nb2O5,Ta2O5)を用いて、液相法によるリン酸塩ガラスを作製する。作製したガラスの網目構造とイオン溶出挙動の関係、材料と細胞・細菌間の相互作用の知見を集積し、液相法による新規生体用リン酸塩ガラスの創成を目指す。
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研究成果の概要 |
無機イオンは適切な濃度であれば生理学的活性を高める機能を持つが、過剰な場合には機能阻害や細胞毒性が懸念される。よって、無機イオンの溶出量を厳密に制御する必要がある。本研究は、無機イオン溶出挙動の制御に向けて、第5属元素のNbとTaを含有した液相法リン酸塩ガラスを作製した。その構造解析より、Nb, Taの導入量の増加に伴い、リン酸塩ユニットをNb, Taが架橋することで鎖構造が形成され、この構造により化学耐久性が向上することを見出した。一方、中間酸化物のMg含有液相法リン酸塩ガラスの作製にも成功し、Mg導入量が多いほど化学耐久性が低くなることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液相法により作製する生体用リン酸塩ガラスの作製プロセスを確立することは、従来の溶融法に比べより低いエネルギーでの材料合成を可能とする。加えて、ボトムアッププロセスであるため、溶融法では作製できない構造の形成が可能である。本研究では、Nb, Taがリン酸塩ユニットを架橋し鎖構造を形成しており、この構造は溶融法リン酸塩インバートガラスでは見られないものである。新たな構造を形成するプロセスとしての液相法は、無機イオンの溶出挙動の制御において非常に有用であり、無機イオンを活用するバイオアダプティブ材料の設計において重要なツールになり得ると考えられる。
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