研究課題/領域番号 |
22K18204
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 紀子 (江口紀子) 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (10896062)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 心臓再同期療法(CRT) / 局所左室仕事量 / 心臓超音波検査 / CRTレスポンダー / CRT / Myocardial work |
研究開始時の研究の概要 |
心不全の治療において、原疾患の治療と最大限の薬物加療で効果不十分な低左心機能症例には、心臓再同期療法 (CRT) を考慮する。 しかし、CRTは全ての患者で奏功するわけではない。現状では症候性の低心機能心不全症例において一定の心電図波形の患者では本治療の効果が高いとされるが、それ以外の群については議論の余地がある。 本研究では、そのような症例において、心臓超音波検査による左室壁の局所仕事量の差を用いてCRTが有効な症例を予測できるか検証する。この研究により非侵襲的に、真にCRTが有用な心不全患者の適切な選択が可能になると期待される。
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研究実績の概要 |
心臓再同期療法(CRT)は心不全治療において、原疾患の治療や最大限の薬物加療を行った上でも効果不十分な症例に検討される。しかしながら一定の確率でCRT治療が奏功しないノンレスポンダーが存在するため、術前にCRT治療の効果が期待できるかどうかを判断することは非常に重要である。 本研究の目的は、局所左室仕事量を用いることで、特に適応に議論のあるQRS幅が軽度延長した症例や非左脚ブロックの症例に対するCRT植え込み患者のレスポンダーを同定することである。今年度は、本研究を進めるために、まず当院でCRT植え込み術を施行した患者を抽出した。そのうち120ms≦QRS幅<150msとQRS幅が軽度延長した症例をまず今回の対象症例とした。リクルートした48名のうち、術前のデータ不足や画質不良であった13名を除外し、最終的に35名の解析を行った。解析可能症例に対し、患者背景や検査結果などを調査した。また術前の経胸壁心臓超音波検査画像をGE healthcare社のMyocardial workを用いて解析することで局所左室仕事量を算出した。さらに術後の経胸壁心臓超音波検査からCRTレスポンダーとノンレスポンダーを判定し、両者での術前局所左室仕事量に差があるかを検討した。結果、前壁中隔と後壁における術前の左室仕事量の差が、CRTレスポンダーではノンレスポンダーに比べて有意に大きいことが示された。 以上の研究結果を第87回日本循環器学会学術集会で発表し、今後国際学会での発表を目指す。次年度以降はさらに非左脚ブロック症例を含めた調査を進め、CRT植え込み前の局所左室仕事量の差がCRTレスポンダーの予測因子となるかどうかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は術前のQRS幅が軽度延長しており、CRT植え込み術を施行した症例を抽出し、患者背景や検査結果などの情報を収集した上で心臓超音波検査の画像データを解析した。上記の解析結果を途中経過として国内学会で報告した。現段階では研究計画時の予定から大きく逸脱したものではないと考える。 一方で症例数は当初の想定よりもやや少数にとどまっており、今後非左脚ブロック症例の組み入れなども含めリクルートする症例数を増やし、より正確な解析を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後、解析の対象とする症例をさらに増やし、さらなる調査検討を行う。国内外の学会にて研究結果を発表し、エキスパート医師とディスカッションを行い研究内容のブラッシュアップを図る。また左室の非同期を評価するための新たな画像解析ソフトを用いて、本研究をさらに発展させることも検討する。
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