研究課題/領域番号 |
22K18205
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
長岡 亮 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (60781648)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 超音波計測 / 平均音速値推定 / 縦波音速 |
研究開始時の研究の概要 |
医用超音波の分野では, 横波の伝搬速度によって硬さを評価するshear wave imagingという手法が現在広く用いられるようになっている. しかしながら, 生体組織の硬さの不均一性による横波の反射・屈折が縦波に比べて大きく, 硬さの推定精度に影響を与えるという問題が存在する. 本研究では, この問題を解決するために, 超音波断層像の画像構築におけるビームフォーミングの精度を評価し, 対象をモデル化して逆問題を解くことにより縦波音速分布を推定する手法の開発を行う.
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研究実績の概要 |
2023年度では、引き続き超音波アレイプローブを用いて平均音速推定手法の精度検証を実施した。この検証では、超音波ファントムを用いた実測実験および数値シミュレーション実験の両方を実施した。この検証によって、組織境界からの反射波がプローブや異なる組織境界で反射を繰り返す多重反射が推定精度に大きな影響を与えることを確認した。この影響は、特定のビームフォーミングの評価指標を用いることで低減できることを確認した。また、評価指標を算出するために用いる送受信条件を変更することで、この多重反射の影響を低減できる可能性を実測実験および数値シミュレーション実験の両面において確認しており、さらなる詳細な検討を行う予定である。さらに、新たなビームフォーミングの評価指標を提案し、この指標を用いた推定手法の精度に関しても、実測実験および数値シミュレーション実験を実施することで検証した。また、今まで提案してきた評価指標を用いた場合の推定精度とも比較検討を行った。 高周波数超音波計測のための数値シミュレーション実験も引き続き実施し、その数値シミュレーション実験において特定の送信条件が開口合成法を用いた画像構築に悪影響を与えることを確認した。その影響を低減するため、超音波センサーの送信条件を数値シミュレーション実験によって検討を行った。この改善によって、数値シミュレーション実験上でその影響を低減できることを確認しており、高周波数超音波計測での平均音速推定の精度の向上につながることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超音波ファントムを用いた基礎実験および数値シミュレーション実験を実施することで、平均音速値の推定精度を実測実験および数値シミュレーション実験の両面から比較検討できたため。また、平均音速値を推定するための新たなビームフォーミングの評価指標を検討できたため。さらに、超音波アレイプローブを用いた平均音速値推定で問題となり得る多重反射の影響を検討できたため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度でも、引き続き超音波アレイプローブを用いた平均音速値推定法の検討のために、数値シミュレーション実験および実測実験の両方を実施する予定である。また、2023年度に購入した超音波センサーを用いた検討も行う予定である。さらに、超音波アレイプローブを用いた数値シミュレーション実験では、2次元シミュレーションから3次元シミュレーションに拡張する予定である。
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