研究課題/領域番号 |
22K18209
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
上條 泰 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (20897988)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 機械学習 / 院内急変 / 予測モデル / データウェアハウス / Rapid Response System / CCOT |
研究開始時の研究の概要 |
入院患者の予期せぬ急変の徴候を捉える手段として、急変兆候は医療安全管理システム「Rapid Response System」が利用されているが、人的かつ時間的コストを要することが課題となっている。本研究では、入院患者の患者背景や生活歴、診療情報データベースの情報を反映させ院内患者の急変兆候リスクを判断し急変予測を行う「テーラーメイド型院内急変予測モデル」を開発する。本モデルは、診療情報を自動収集しテキストデータとして構造化させる機能と急変予測アルゴリズムから構成され、医療スタッフの介入工程を大幅に削減することが可能になると考えている。
|
研究実績の概要 |
2023年度においては、2022年に引き続き生体情報や血液検査結果に基づいた急変予測アルゴリズムの作成に取り組んだ。過去数年間急変事例を手動で抽出したサンプルからの検証ではあるが、1点の時間におけるデータに基づいた予測結果よりも複数間のデータの変化が予測精度が向上した。これは、数値の絶対値よりも時間軸を考慮した数値の変化量に重点を置いたアルゴリズムの構築が急変をより正確に表現することが可能であり、かつ、応用として任意の時間単位での急変予測も評価可能であることが示唆された。 データ取得においては、「NEXT Stage ER」によるカルテデータおよびデータウェアハウス(DWH)との連携において、時系列情報の精確な取得と連携が本アルゴリズム作成に必要であり、当該部位の細かいアップデートを行った。さらにデータ統合において患者背景にかかる生活習慣、疾患および治療中の内容等の膨大な診療データを分かりやすくかつ効率良く取得するためにはデータの細かい構造化が必要であり、急変予測という視点からカラムの見直しと整理を重点的に行った。 2023年度の実績内容として、リアルタイムにあらゆる患者の急変予測を精確に行うアルゴリズムを構築するための重要なステップであったといえる。2024年度には、これまでの成果を踏襲しつつ、汎用化した急変予測アルゴリズムモデルの基礎となる膨大なデータ収集を効率良く行えるシステムの完成を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手動で取得した生体情報や血液検査結果データに基づいた急変予測アルゴリズムの検証を行うことができたが、急変を予測するためのデータを効率的に自動収集するための課題が想定以上にあり、それらの課題を解決することに膨大な時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は以下の通りである 1. データウェアハウス(DWH)とのさらなる連携強化:患者背景にかかる生活習慣、疾患および治療中の内容等の膨大な診療データを分かりやすくかつ効率良く取得するため、データの細かい構造化を進めていく。 2. 共同研究推進のための基盤作り:多施設でシステムを利用可能にするために、電子カルテベンダーに依存しないデータ整備を進めていく。
|