研究課題/領域番号 |
22K18216
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山下 泰伸 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90612101)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 慢性膵炎 / 栄養障害 / サルコペニア / EUSエラストグラフィ / 早期診断 / 超音波内視鏡 / 線維化 / 進行度 |
研究開始時の研究の概要 |
EUSにおいて、新たな診断評価法としてShear wave elastographyによる膵硬度測定およびDFIによる血流評価を用いた線維化評価による慢性膵炎診断が導入されてきている。新たな比較評価可能な客観性のある慢性膵炎診断・進行度評価システムの開発、慢性膵炎の早期診断、治療介入による慢性膵炎合併症の予防、進行度による膵癌のリスクに応じた膵癌の早期発見、内・外分泌機能障害における生化学検査値には表れない程度の予備軍の状態での早期発見を目的とする。また、慢性膵炎発癌のメカニズム解明を目的とする。
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研究実績の概要 |
【背景と目的】慢性膵炎の進行により、糖尿病、栄養障害、サルコペニアなどを合併する。EUS-shear wave elastography(EUS-SWE)を用いて慢性膵炎合併症を予測できるについて検討した。 【対象】慢性膵炎精査目的にEUS-SWEかつ腹部CT が行われた58例を対象とした。 【方法】栄養障害は血液検査でのアルブミン値、リンパ球数、総コレステロール値から算出されるCONUT scoreが2点以上(軽症)を栄養障害と した。サルコペニアはCTで腰椎L3レベルでの骨格筋量指数を計算し、日本肝臓学会が提唱するサルコペニア判定基準のカットオフ値未満をサルコペニアと定義した。糖尿病の有無、栄養障害の有無、サルコペニアの有無とEUS-SWE値を評価し、ROC曲線を描き、AUCを測定し、Youden indexを用いてcut-offを設定し、その感度、特異度を計測した。 【結果】糖尿病の有無、サルコペニアの有無に関してEUS-SWE値の差は認めなかった。栄養障害において、EUS-SWE値は栄養障害群[2.6(2.29-2.9)m/s]、非栄養障害群[2.14(1.95-2.32)]であり、栄養障害群で有意に高かった(p=0.0142)。糖尿病の有無、栄養障害の有無、サルコペニアの有無のcut-off値はそれぞれ、2.53、2.03、1.51と算出され、その感度は53%、93%、100%で特異度は77%、52%、20%でAUCは0.6、0.72、0.54であり、栄養障害における診断に有用であった。 以上より、慢性膵炎疑いの患者に対してEUSを施行する際にEUS-SWE値を測定することで客観的に低栄養状態をスクリーニングでき、消化酵素補充療法をはじめとした栄養療法の必要性および早期治療により予後が改善される可能性があると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
血流評価機能であるDFI-EUSを用いた膵癌診断における有用性を検討する。その後、膵癌における血流動態を把握することで、DFI-EUSを用いた慢性膵炎の膵癌へのリスク因子について検討する。
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