研究課題/領域番号 |
22K18218
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
影山 彩織 帝京大学, 薬学部, 研究員 (70933068)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リピッドバブル / 超音波照射 / 抗腫瘍効果 / ナブパクリタキセル / ゲムシタビン / 腫瘍組織移行量 / ドラッグデリバリーシステム / マイクロバブル / 超音波 / 膵臓癌 / 抗がん剤 |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓がん組織は、ペリサイトや細胞外マトリックスなどの生物学的バリアが存在するため、抗がん剤の到達量が低く、治癒率の低いがんである。リピッドバブル(LB)は、超音波照射により振動現象(オシレーション)を誘導する特性を持つ。LB投与後に超音波を照射することで、血管に流れている LBにオシレーションが誘導され、血管内皮細胞壁を一時的に開口させ、抗がん剤を送達することが期待される。本計画では、生物学的バリアを再現したがん組織に導入した膵臓がん担がん動物に対して、投与方法、超音波照射条件の影響を抗がん剤のADMEおよび腫瘍内濃度、治療効果から検討し、膵臓がんへの抗がん剤送達システムを構築する。
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研究実績の概要 |
リピッドバブル(LB)と超音波(US)照射、抗がん剤の組み合わせによる抗腫瘍効果を検討するため、膵臓がん細胞(BxPC-3)担がんマウスに対し、LBとUS照射、ゲムシタビン(Gem)、ナブパクリタキセル(NPT)を組み合わせた処置を行い、腫瘍体積を指標に抗腫瘍効果を評価した。BALB/c-nu/nuマウスの右背部にBxPC-3細胞(1×10^6 cells/Mouse)を皮内移植した。移植から13-14日後、マウスを無処置群、Gem(50 mg/kg)・NPT(5 mg/kg)単独投与群、LB+US (LBとUS照射の併用)群、Gem+LB+US群に群分けした。Gem単独投与群は、Gem・NPTを尾静脈内投与した。LB+US群は、LBの投与を4回、2.5分間隔に投与し、腫瘍にUS(LOGIQ E9, MI : 0.2)を照射した。LB+US+Gem+NPT群は、Gem・NPTを投与後、LBの投与を4回、2.5分間隔に投与し、腫瘍にUSを照射した。なお、本処置は4日おきに計4回(Day 0, 4, 8, 12)行い、腫瘍体積を測定した。その結果、LB+US+Gem+NPT群は、無処置群とGem・NPT単独投与群、LB+US群と比較し、顕著な抗腫瘍効果が得られた。また、LB+US群は、無処置群およびGem・NPT単独投与群と比較し、顕著な抗腫瘍効果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
超音波照射機器イトーUSとLBの組み合わせによるGem・NPTの腫瘍組織移行量および抗腫瘍効果についての検討を完了していない。また、PDX マウスモデル作製にまだ着手していない。このことから、進捗が遅い状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
超音波照射機器イトーUSを用いた、リピッドバブル(LB)と超音波(US)照射の組み合わせによる様々な照射条件とLBの投与方法が抗腫瘍効果に及ぼす影響を調べ、その結果から、Gem・NPTの腫瘍組織移行を促進する条件と方法を確立し、リピッドバブル(LB)と超音波 (US) 照射の組み合わせによる薬物送達能、抗腫瘍効果についての知見を得る。PDX マウスモデル作成が困難であった場合、同所性モデルマウスを作成し、抗腫瘍効果の検討を視野に入れる。
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