研究課題/領域番号 |
22K18232
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
岡田 章 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (50825320)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ファーマコメトリクス / 新生児 / 母集団薬物動態学 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌感染症に対するより有効で安全な薬物治療のためには血中薬物濃度測定に基づく治療薬物モニタリング(TDM) の実施が推奨されている. しかし, 小児・新生児領域においては血中薬物濃度が得にくいなど情報の制限が多く, TDMに必要な数理モデルの構築が困難であるため, 用法・用量最適化の検討は不十分である. 本研究では, 新たな数理モデルの構築方法およびモデル構造を創案すると共に, 医療現場にて収集された情報より, 構築した数理モデルの評価および精緻化を行うことで用法・用量の最適化を図り, 本邦の実臨床を反映した医薬品適正使用に資するエビデンスの構築を目指す.
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研究実績の概要 |
細菌感染症に対するより有効で安全な薬物治療のためには血中薬物濃度測定に基づく治療薬物モニタリング(TDM) の実施が推奨されている. しかし, 小児・新生児領域においては血中薬物濃度が得にくいなど情報の制限が多く, TDMに必要な数理モデルの構築が困難であるため, 用法・用量最適化の検討は不十分である. 本研究では, 新たな数理モデルの構築方法およびモデル構造を創案すると共に, 医療現場にて収集された情報より, 構築した数理モデルの評価および精緻化を行うことで用法・用量の最適化を図り, 本邦の実臨床を反映した医薬品適正使用に資するエビデンスの構築を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに, 2014年4月-2020年3月に国立成育医療研究センターにてVCMが投与された3歳未満の患児を対象とし, 電子診療録より血中濃度, 修正在胎期間 (PMA), 血清クレアチニン (SCr) 等を抽出した. また, これらの情報の内、腎排泄型医薬品であるバンコマイシンは719例の患児より3468点の血中濃度情報が, アミカシンは20例の患児より66点の血中薬物濃度データが得られた. これらの情報を基に, それぞれの血中薬物濃度推移を示す母集団薬物動態モデルを構築し、至適投与設計に有用なノモグラムを作成した. なお, 本研究は関連施設の倫理委員会の承認を得て実施した. 現在, アミカシンの母集団薬物動態解析の結果については論文投稿段階であり, またバンコマイシンを用いた解析結果は論文投稿準備中である.
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今後の研究の推進方策 |
現在の所、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での課題等はない. 腎排泄型医薬品を小児に投与する場合, 腎機能発達の過渡期であることを考慮した用量調節が重要である. 近年, 米国FDAでは小児の腎機能推定方法として, 腎排泄型薬物のクリアランス (CL) を活用することを提案している. Vancomycin (VCM) の腎排泄率は90%を超えているため, VCMのCLは小児の腎機能推定に活用できると考えられる. 小児に対する母集団薬物動態 (PPK) モデルを構築する際, CLに影響を与える要因として腎機能に加えて体格および成熟過程を考慮することが推奨されている. 本研究では, 日本の3歳未満の小児に対する腎排泄型医薬品の適正使用への貢献を目的として, VCM CLを用いた腎機能推算式を構築し, 腎機能を考慮したVCMの投与量について検討する.
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