研究課題/領域番号 |
22K18239
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 日本医療科学大学 (2023) 日本保健医療大学 (2022) |
研究代表者 |
姚 潤宏 日本医療科学大学, 保健医療学部, 助教 (40909610)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脳機能 / 運動視機能 / 認知症予防 / ポリリズム他動運動装置 / 自発運動困難者 / Gamma-thetaの波形の相関 / 神経同調 |
研究開始時の研究の概要 |
AD患者は認知・身体機能が低下する自発運動困難者であり、既存の運動法では適応できない。本研究では、自身の老化促進モデルマウス研究で効果を確認した振盪刺激を改良し、ヒトに向けのTheta周波数の運動強度を設定する。Gammaリズムの視覚刺激とTheta周波数の振盪刺激を組み合わせた新規ポリリズム他動運動装置(PTMD)を開発し、軽度認知障害(MCI)患者にPTMDを与え、認知記憶、身体機能評価を並行して測定し、PTMDがMCI患者の脳の神経変性を防止するメカニズムに関与する因子を探索する。PTMによるAD症状の進行緩和、記憶の保持を目的とした刺激条件、運動方法を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、研究代表者自身のこれまでの研究で効果が確認された振盪運動刺激を改良し、神経細胞に位相するTheta周波数の条件を検討設定した。さらに、Gammaリズムの視覚刺激とTheta周波数の振盪刺激を組み合わせた新規ポリリズム他動運動負荷装置(PTMD: Visual Stimulus combining Shaking Stimulus Polyrhythm Transitive Motion Device)を開発した。 介護施設に通所している高齢者で、自立歩行可能な高齢者15名(75.8±6.7歳)を対象とした。PTMD刺激を、15分間/日、3回/週、6ヶ月間継続して実施した。重心動揺計(Foot view-SAM, Nitta Co., Ltd, Japan)を用いて、開眼時・閉眼時の重心動揺面積、軌跡長、前後方向・左右方向の重心動揺距離を測定した。Benton Visual Retention Test(BVRT)(A.L. Benton, sankyobo.co.Ltd.Japan)を用いて、10枚の図版を提示し、各図版の提示時間は10秒とした。被験者は、提示された図版の内容をできるだけ多く覚えて、提示後すぐに紙に描いてもらった。採点は、手引きに記載されている基準に基づいて行った。Tobii Pro spark(60Hz, Tobii Technology K.K. Swden)視覚追跡装置を用いて、Center point、Drifting gratings、Whiteboardの注視時間を測定した。Octave 9.1とPsychophysics and Video Toolboxを用いて、刺激は正弦波型のグレーティングであり、空間周波数、刺激対比度、刺激の方向をそれぞれ設定した。被験者は20問の試行を行い、正解数と遂行時間を測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は主に本研究を継続し、研究開始時(0ヶ月)、研究中期(3ヶ月)、研究終了(6ヶ月)のデータ収集を完了しました。 収集したデータは現在解析中である。 振盪運動や視覚刺激の単独効果を証明し、2023年に国内国際学会に発表を行った。PTMD刺激による姿勢制御機能、視覚記銘機能、運動視機能、周辺抑制機能への効果を解析した。 2024年8月に国際発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に本研究である運動介入が終了し、PTMD運動効果の検証とメカニズム解明が予定されています。研究開始時(0ヶ月)、研究中期(3ヶ月)、研究終了(6ヶ月)後に以下の項目を測定し、データを分析することで、運動介入の効果とメカニズムを明らかにすることを目的としている。 1. 身体パフォーマンス関連データ、運動視機能:Tobii Glasses(60Hz, Tobii Technology K.K. Swden)を用いて測定したデータから、運動介入が視覚情報処理速度、動体視力、空間認知能力などに与えた影響を検証する。正弦波型グレーティングを用いて測定した視感度データから、PTMD運動介入が視覚刺激に対する感度、コントラスト感度などに与えた影響を分析し、脳周辺抑制機能への効果を明らかにする。視覚記憶:BVRT検査を用いて測定し、PTMDが視覚記憶に与えた影響を分析する。姿勢制御機能:重心動揺計(Foot view-SAM, Nitta Co., Ltd, Japan)を用いて測定したデータから、運動介入がバランス能力、姿勢保持能力などに及ぼす効果を検証する。 2. 刺激効果及びメカニズム解明:脳から生じる電気活動(EPOC-14, Emotiv Co., Ltd, USA)を測定し、運動介入が神経同調に与える影響を検証する。近赤外分光計測k(HOT-2000, NeU, Japan)による生体信号測定と同時に脳活動に伴う血流変化を oxy-Hb と deoxy-Hb の濃度変化として観察し、運動介入が脳血流に与える影響を分析する。 3. 総合分析と考察:上記で得られたデータを総合的に分析することで、運動介入が身体パフォーマンス、脳位相同位、脳血流、認知機能にどのような影響を与えたのか、そしてこれらの項目間にどのような相互関係があるのかを明らかにする。
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