研究課題/領域番号 |
22K18256
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牧原 出 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00238891)
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研究分担者 |
稲見 昌彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00345117)
林 昌宏 愛知学院大学, 法学部, 准教授 (00632902)
出雲 明子 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (10510076)
羅 芝賢 國學院大學, 法学部, 准教授 (20816235)
砂原 庸介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40549680)
手塚 洋輔 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60376671)
若林 悠 大東文化大学, 法学部, 講師 (80843250)
若生 幸也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員研究員 (90620790)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | デジタル化 / 作動学 / 制度設計 / DX / 業務改革 / 情報システム / オーラル・ヒストリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、継続する改革と情報システムの加速的変化との中で、諸々の政治制度とりわけ行政制度を捉え直すことで、制度をシステムと個人双方の作動の中で再構成することを目的とする。とりわけ業務、改革、情報システムの三者の関係がどのように変容し、そこで何が制度を作動させ、何が作動させないのかを特定する。従来綿密に特定の制度領域への分析を手がけてきた行政学者とともに、地方自治体のデジタル化を主たる事例にした分析を進める。その際に、これまでの研究から、業務の実態を把握するには、公開資料・未公開資料の収集はもちろんのこと、口頭でのインタビューやオーラル・ヒストリーを十全に活用する。
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研究実績の概要 |
本研究では、制度の作動について広く事例を収集して、その構造を把握し、理論的意義を検討することが目的である。本年は、まず事例を収集する際の基準として、制度作動の生成要因を把握する理論的枠組みを議論した。そこでは、作動原因が行政内在的か社会外在的かという軸と、作動態様が初期不良か経年劣化かという軸での区分が提案され、現段階では経年劣化後の改善によっても初期不良が内在するとすれば、経年劣化の修正がまた初期不良を生み出すという循環モデルで考えられる点で共通了解を得た。あわせて、事例研究として、近年の防災気象情報の活用を目指す気象庁の作動、港湾行政の歴史的展開における作動という同時代と歴史という軸で作動を検討した。 また、政府での感染症対策の司令塔設置を前に、専門家集団と政治家・官僚との関係、さらには研究開発組織との情報共有について、感染症専門家と議論し、どの領域に工夫を施すことでより円滑に作動可能となるかについて確認した。最終的には制度案をまとめあげて、その結果を公表し、岸田文雄首相にも直接説明を行った。 さらに、神戸市と横浜市という政令指定都市での基幹情報システムの標準化への準備過程について担当者にヒヤリングを行い、出先機能の自動化と本庁への集約、情報システムについての政令指定都市間での調整、ベンダーとの関係、庁内での人材育成について作動状況を確認した。これを事例研究の基盤として全員で共有した。 以上のように、理論的軸を仮設的に構築し、具体的な分野について事例研究を行い、また感染症やデジタル行政の専門家と情報共有をしつつ、政府の司令塔・自治体の情報システムの作動について展望を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会を定期的に開催し、その中で全体の共通了解としての枠組みを議論した上で、個々の事例研究の状況報告を始めている。並行して複数の地方自治体に基幹情報システムの標準化への対応状況とそこで生まれるであろう作動についてヒヤリングを行っており、行政執務への理解も深めているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後各自の研究課題に基づいて、事例研究に全員が着手する。その際にはヒヤリングを中心とする執務状況への把握に努める。その際には、ヒヤリングをオーラル・ヒストリーの手法を用いて行い、その方法についても検討を開始する。あわせて、全体の理論枠組みの再検討を続ける。
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