研究課題/領域番号 |
22K18259
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
高梨 克也 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (30423049)
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研究分担者 |
相川 陽一 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (90712133)
福島 万紀 都留文科大学, 教養学部, 准教授 (30724009)
今村 晴彦 長野県立大学, 健康栄養科学研究科, 准教授 (40567393)
丸山 真央 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80551374)
役重 眞喜子 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (50847192)
奥村 圭子 長野県立大学, 健康栄養科学研究科, 助教 (40965117)
阿部 廣二 東京都立大学, 人文科学研究科, 客員研究員 (60817188)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2026年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 地域コミュニケーション / 微視的相互行為分析 / 高齢者 / 社会福祉学 / 地域社会学 / 多職種連携 / フィールド調査 / 買物・栄養問題 / 相互行為分析 / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の地域コミュニケーションを対象に,地域社会学・社会福祉学・相互行為分析の融合による地域コミュニケーション学の基盤構築を行う.高齢者の地域コミュニケーションを,A) 地域コミュニティ内での高齢者の日常的コミュニケーション,B) 高齢者と専門職・行政職の間でのサービス場面,C) 高齢者の生活・福祉に関わる専門職・行政職間での多職種連携,D) 行政職・専門職の所属機関でのコミュニケーションという複数レベルで捉えていくことにより,高齢者の日常生活や社会福祉に関わる学術分野間での連携を促進し,統合的な地域コミュニケーション学の基盤を確立する.
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研究実績の概要 |
本研究は,1.高齢者の地域コミュニケーションの複層的な実態把握,2.地域社会学,社会福祉学,微視的相互行為分析の融合による「地域コミュニケーション学」の基盤構築を目的としている.地域コミュニケーションを,A) 地域コミュニティ内での高齢者と他の人々との日常的コミュニケーション,B) 高齢者と専門職・行政職の間でのサービス提供場面,C) 高齢者の生活・福祉に関わる専門職・行政職同士の間での多職種連携,D) 行政職・専門職の所属機関内でのコミュニケーション,という4つの「コミュニケーション・レベル」で複層的に捉えていくことにより,高齢者の日常生活や社会福祉に関わる学術分野間での連携を促進し,統合的な「地域コミュニケーション学」の基盤確立を目指す. 多くの学際研究が単なる「寄り合い所帯」を超えた分野間・研究者間での緊密な連携に困難を抱えていることを鑑み,本研究計画では,1. 同一地域を対象とした複層的調査による学際連携に加え,2. フィールド調査を通じての研究者同士の相互学習の促進と,その中での3. 微視的相互行為分析の積極的な活用,のための枠組み作りを重視している. 今年度は,まず,これまでに行っていた長野県天龍村での買物調査に社会言語学を専門とする新たな研究協力者を追加し,活動を再活性化させた.また,北海道札幌市と厚真町での町内会やまちづくり系企業への聞き取り調査を公衆衛生学,行政学,認知科学を専門とする分担者が合同で行った.さらに,栄養パトロールの調査では,分担者自身によるスーパーバイズの実践を認知科学と会話分析を専門とするメンバーがビデオ収録して,特徴的な相互行為パターンの抽出などの分析を進めた. 調査者以外のメンバーも含めた全体での情報共有と議論を積極的に行うため,対面会合に加え,専用のメーリングリストも積極的に活用した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」の通り,いくつかのフィールド調査において,異分野研究者間での緊密な連携を開始できている.他方,フィールドによっては,各メンバーが単独で調査を進めており,他分野のメンバーが十分に参画できていないものも多い.また,計画はされているもののまだ本格的な調査を開始できていないフィールドもある. 緊密な合同調査が開始されているフィールドについても,研究成果の公表という側面では,2年目の本年度はまだ,本格的な分析やその結果の対外発表を十分に行うまでには至らなかったものがほとんどである.そのため,「調査は合同で進められても,成果発表はまだ個々のメンバーごとに行っている」段階だと言える.
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今後の研究の推進方策 |
上記「現在までの進捗」に挙げた課題について,いずれも原因はメンバー間での相互理解の不十分さにあるのでは必ずしもなく,まず調査面については,互いに異なる地方の大学に所属するメンバーがさらに別の地方のフィールドに合同で調査に行く際のスケジュール調整の困難さにその原因がある.そのため,調査主担当者が早めに調査計画を立て,その情報を他のメンバーに共有できるようにしていくためのさらなる工夫を考えたい. 成果発表については,次年度はまだそれぞれの専門領域での原著論文の掲載を増やすことは難しいと考えられるため,共通のデータに対して,各メンバーがそれぞれの方法論を用いて,協働で多角的な分析を集中的に行うためのデータセッションなどを地道に進めていくことが必要になる.また,本研究に関する関連諸分野でのプレゼンスを高めていくため,各メンバーの所属学会大会などにおいて,本研究に関するシンポジウムやパネルディスカッションなどを積極的に企画し,そこに異分野のメンバーも積極的に登壇するようにすることが有効だと考えている. 挑戦的研究という種別の観点から見ても,こうした活動を通じて,より多くの分野の研究者が本研究の試みを周知し,積極的に関わってもらえるメンバーを発掘していくことも重要な活動の一つであると考えている.
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